滋賀県中小企業家同友会

委員会活動について-共育委員会-

ようこそ地域の中小企業へ!~新入社員合同入社式に17社より35名が集う~

共育・求人委員会 その他活動

滋賀県中小企業家同友会では、去る4月3日(月)13:30~15:30まで、2023年新入社員合同入社式をクサツエストピアホテルで開催しました。
合同入社式は共育・求人委員会が主催し、地域と共に歩む同友会会員企業で社会に貢献しながら働くことを選んだ若者を仲間と共に迎え入れ共に育つ輪を広げようと、今年で26回目(1997年以降毎年開催 ※2020年はコロナ禍で中止)を迎える取り組みです。
今年は7社より35名の新入社員が集参加し、付き添い者を含め総勢60名の参加で盛大に開催されました。

滋賀県中小企業家同友会
代表理事 水野 透さんの挨拶

皆さん、ご入社おめでとうございます。
皆さんが入社された中小企業は、県内企業数の99%以上を占めており、地元に根付いて地域に貢献し、なくてはならない会社ばかりです。政府も「中小企業憲章」を閣議決定(平成22年)し、中小企業は社会の主役であると謳い、7月20日を「中小企業の日」と定めました。日本経済を牽引しているのは、中小企業なのです。そのような中小企業で働くことに、ぜひ誇りを持って下さい。
さて、皆さんはいま大きな希望や目標・夢をお持ちだと思います。是非機会あるごとに、仲間にその話をしてほしいと思います。他人に話し、また書いて自分の部屋に貼ることで、何かに迷い、くじけそうになった時に、自分の行動を決心するうえでとても役に立つと思います。不思議なもので、そうしていると徐々に実現していくのです。人って、やりたいことやなりたい自分の姿を具体化すると、自然とその夢に向かって努力するようです。
もうひとつみなさんにお伝えしておきたいことが、『何のために』ということです。これから各社で働かれるわけですが、是非やる仕事の意味を考えて下さい。何のためにやっているのかがわかると、仕事の目的や流れが見えてきます。全体が見えるようになると、毎日の仕事への気持ちが変わってくると思います。また、みなさんのフレッシュな目で見た改善もできるのではと期待します。
最後に、今日の日の思いを忘れず、迷ったりくじけそうになった時には、同期に相談したり先輩や上司に助けを求めて下さい。一緒に楽しく頑張りましょう。皆さんがそれぞれの夢を実現してもらうことを祈念して、私からのお祝いの言葉とさせていただきます。

先輩社員より激励の言葉
滋賀建機株式会社 甲賀営業所
吉田 真衣さん

新入社員の皆様、この度はご入社おめでとうございます。
滋賀建機株式会社の吉田と申します。
私が入社をした3年前は、丁度コロナウイルスが日本中に蔓延していたため、合同入社式が中止となりました。現在、ようやくマスクの着用も個人の判断に委ねられ、徐々にコロナ禍以前の生活が戻ってきているのではないのでしょうか。そのような中、合同入社式が開催され、皆様のご入社をお祝いできることを嬉しく思います。
さて、皆様は社会人になるにあたり必要なことは何だと思いますか?
よく、このような話題が出たときに上げられる解答としては「責任感」であったり、「自分で考えて動く力」であったりすると思います。もちろん、それらも大切なことであり、必要なことです。しかし、私はそれらに加えて「多少の他責思考」も大切だと考えています。
他責思考というのは、物事が起きた際に自分以外の周りに問題があるという考え方の事です。社会人として必要な事である責任感とはほぼ真逆の言葉になります。
これだけを聞くと良くない考え方なのですが、何故多少の他責思考が大切と思うかと言いますと、バランスの問題ではありますが、他責思考の反対である自責思考は仕事をするうえで成長するポイントとなります。しかし過度な自責思考では成長を妨げると考えているからです。
仕事をするうえで失敗をしない人はおらず、また失敗をしてしまう要因は沢山あるかと思います。しかしそれら全てを自分の能力不足だと思い詰めてしまうと、自信が付かなくなったり、精神的にも悪影響を及ぼしかねません。とはいえ、全てを他責にするのではなく、なぜ失敗をしたのか、どうすればよかったのかなど同じことを繰り返さない為にも考えていくことが最も重要です。
新入社員の皆様はこれから初めての環境で初めての作業、覚えることなど沢山あるかと思います。その中で必ず失敗をしてしまう場面が出てきます。その際は頭の中で多少の他責思考を思い出し、慣れない環境でキャパオーバーになっている自分を甘やかしてください。そして、適度な自責思考で次に活かすよう成長をしていってほしいと思います。私自身まだまだ3年目であり未熟なため、大層なことは言えませんが、少しでもこれからの社会人生活を気楽に、楽しく過ごせる指針の一つになればなと思います。
ご清聴ありがとうございました。

新入社員代表 決意表明
株式会社 宮川バネ工業
岸本 愛生さん

株式会社 宮川バネ工業の岸本愛生と申します。
2023年度の新入社員を代表して決意表明を述べさせていただきます。
本日は、私ども新入社員のために、このような盛大な入社式を催していただき、誠にありがとうございます。
新入社員一同を代表して心よりお礼申し上げます。
ここで簡単に自己紹介をさせていただきます。
私は高校の時から、将来働くときに役に立つことを学びたいと考えて情報コースを選択しました。将来、どんな仕事をするにも、パソコンが欠かせないだろうと思ったからです。授業ではExcelやWord、デザインなど様々なことを学びました。
また、アルバイトもいくつか経験し、接客の難しさや、学校ではない社会で、様々な年代の人と繋がることの大切さ、自分でお金を稼ぐことの大変さを学びました。
3年間高校生活を共に過ごした友達は、今でも私にとって大事な仲間です。学校生活の悩みや将来のこと、日々の小さな出来事などたくさんのことを話し、共有しあえる友達は、私の財産であると思っています。短大では児童教育について学びながら、たくさんのグループワークに取り組み、チームで何かを成し遂げるということを学びました。お互いの良いところを出し合い、また弱点をカバーし合い、どうすればより良い発表につなげることができるか考えました。時には意見の食い違いがあったり、うまい答えが見つからないこともあったりしましたが、私にとってチームで何かを行うということは楽しいものでした。
これまでずっと働くために学んできたことを活かせる機会が来て、今は胸が期待で一杯です。これからは会社というチームの一員となり、これらの経験を生かしていきたいと思います。
私たち新入社員は、今日から先輩方のご指導の下、日々いろいろなことを学び、一日も早く会社の戦力となれるよう、力を尽くして取り組んでいきたいと思います。
そしてこれから出会うすべての人を大切にし、失敗を恐れずチャレンジ精神を常に心に持ち、社会人として成長していきたいと思います。
まだまだ未熟な私たちですので、時には迷ったり悩んだりするかと思います。
先輩の皆さま、どうかご指導のほど、よろしくお願い申し上げます。
以上、簡単ではございますが、新入社員を代表して決意を述べさせていただきました。
ありがとうございました。

記念講演は株式会社エフアイ 代表取締役北野 裕子さんより「共に明日を切り拓こう!」をテーマに行われました。

皆さま、入社おめでとうございます。
今日は3つことを皆さんにお伝えします。1つめは、「感謝を忘れない」ということ。
2つめは、「可能性は無限大」というお話。3つめは「デザイン思考」です。今日のお話が、これからの日本の未来を担う皆さんの力となれば幸いです。

【感謝を忘れない】
私は湖東地域を中心に、フィットネス事業・コンサルティング事業・整体事業の㈱エフアイを経営しています。十代の頃の私の夢は「玉の輿に乗って専業主婦になること」でした。今振り返ると大変甘い考えを持った若者だったと思います。私が19歳のときに、父が脱サラしてカメラの現像の会社を開業することとなり、当時の私は「就職活動しなくて良かった!ラッキー!」というような気持ちで父の会社に入社しました。しかし、カメラの現像事業はデジタルカメラの普及と共にどんどん売上が下がっていきました。私は毎日死に物狂いで営業をかけていきました。25歳のときには結婚して、朝から晩まで仕事をし、帰ってから家事と、まともに寝る暇もないような毎日でした。そんなフラフラの状態だったので、居眠り運転で大きな交通事故を起こしました。ノーブレーキでトラックに衝突し、車は廃車になるほどの大事故でした。私は病院にいく必要がないほど無傷の状態でした。私が助かった理由は、事故のちょうど一週間前にシートベルトの検問に引っ掛かっており、その検問の甲斐もあってシートベルトをキチンと付ける意識が出来ていたためでした。あの時、シートベルトの検問に引っ掛かっていなければ、私は死んでいたかと思います。この経験から皆さんにお伝えしたいのは、ネガティブな出来事にさえ、生命を救われることがあります。だから常に周囲への感謝を忘れないことが大切です。今回は“感謝の3段活用”についてお伝えします

1つ目は“してもらった時の感謝”です。家族・友人・会社の人たちに何かをしてもらったら、まずは「ありがとう」と感謝することです。私たちは多くの人に支えられて生きています。気が付いていないだけで、誰かのお世話になっていることも少なくありません。そうした瞬間に、しっかりと感謝を示せるような社会人になっていただきたいです。

2つ目は“当たり前のことへの感謝”です。世界では、戦争や災害などで日常生活を送ることのできない人々が大勢います。今、我々が当たり前に生活出来ているというのは素晴らしいことなのです。いくつもの当たり前に感謝できる人たちは、社会に出てからもすぐに伸びていきます。ぜひ皆さんも日常のなかにある“当たり前”に感謝を忘れないでください。

3つ目は、“困難なことへ出会う感謝”です。これから皆さんも仕事で多くのしんどいことや苦しいことと出会う機会があるかと思います。しかし、困難というものはただ苦しいだけでなく、挑んで乗り越えたときには、自分を大きく成長させてくれるチャンスでもあります。皆さんもこれから困難な出来事に出会ったときにはぜひ感謝を持って挑んでください。

【可能性は無限大】
次にお伝えしたいのは、「可能性は無限大」ということです。例として海に浮かぶ氷山を挙げますが、氷山の海面上に見える部分は全体の1割ほどです。これは人間も同じことで、自分で認識している・他人から認められている人間の長所というものは全体の一割ほどなのです。これを顕在と潜在といいます。皆さんにも潜在的に隠れている長所が沢山あります。これから長所を増やしていくために、見えている長所をどんどん伸ばしていくような行動が重要となります。一つ長所を伸ばしていくと、それに付随して隠れていた長所が顕在化していきます。まず皆さんは、自分がどんな人間で、どんな長所があるのかを探してください。そして、その長所を日々の仕事の中で磨いていってください。そうしていくと、人間としても社会人としても大きく成長することができます。

【デザイン思考】
最後は「デザイン思考」についてお話します。現在はVUCAの時代(変動性(Volatility)、不確実性(Uncertainty)、複雑性(Complexity)、曖昧性(Ambiguity)の頭文字を取った造語で、社会やビジネスにとって、未来の予測が難しくなる状況のこと)とも呼ばれ、近い将来すら見通すことが出来ない激変の時代です。また、AIやIT技術の進歩も目覚ましく、人間にどんな能力が必要なのかが問われる時代でもあります。そんなこれからの時代を生きていく皆さんにお伝えしたいのが、「デザイン思考」です。デザイン思考とは、これまでの固定概念を捨て去り、自分の価値観を常にアップデートしながら、その時の状況に応じた答えを創りだしていく思考法になります。デザイン思考を具体的なビジネスの場に落とし込むと三段階に分けられます。①まずはお客様のインサイト(深層的なニーズ)に気づく、②インサイトへのアプローチを仮説・立案、③自社のサービス・製品を提案する。このデザイン思考によるアプローチは、AIにはできない人間特有の強みです。お客様に関心を持ち、仮説を立て、お客様の隠れたニーズを見つけ出すことが、これからのビジネスにおいては重要となってきます。ぜひ皆さんも、世の中のあらゆることに関心を持ち、物事の本質を見抜く力を養ってください。

【人生を選択すること】
最後に皆さんにメッセージをお伝えします。
人生は選ぶことと選ばれることとの両立でできています。自分らしい人生を生きている人たちは、人生の選ばれることと選ぶことを意識して、人生を謳歌しています。「自分は○○だから」や「○○が□□だから自分には無理だ」というように周囲や環境のせいにしながら、「もっと自分はうまくできるはずだ」と考えていては、人生は思うようにいきません。人生とは選択の連続です。誰と付き合うのか、自分はどう生きるのか、小さなことから大きなことまで、全て選択していくことになります。幸せを掴み取りたいならば、自分の人生を自分で選択する自覚を持つことです。自分の人生の生き様や目標を設定し、自分の人生を自分らしく主体的に生きてください。人生は大海原のようで、荒れ狂うときも向かい風が吹きすさぶときもあります。人生を選択してもすぐには良くならないかもしれません。しかし、自分で選択して生き続けることで、必ず目指す場所にたどりつくことができます。
皆さん、頑張ってください。

滋賀県中小企業家同友会
共育・求人委員長(当時)
宮川 草平((株)宮川バネ工業 代表取締役)さん挨拶

まずは、この4月より社会人としての一歩を踏み出された皆さんに、心よりお祝いを申し上げます。中小企業家同友会のメンバーとして、これから共に地域社会や経済に貢献していく皆さんを歓迎いたします。皆さんがこれから立派な社会人として成長し、幸せな生活を送り、社会に貢献できる人間に成長していくことが私たちの責任であると考え、我々も精いっぱい努力を続けていきます。
さて、皆さんの中には、これからの社会人生活に対する期待や不安が渦巻いていることでしょう。うまく仕事がこなせるのか、職場に馴染むことができるのか、人によっては期待よりも圧倒的に不安の方が大きくなっているかもしれません。確かに仕事には、いいこともあればつらいこともあります。ですが、それらを乗り越えることはさほど難しいことではありません。先輩社員の経験やサポート、自分自身の努力で必ず乗り越えることができるでしょう。
それよりも、働く上でいつか訪れる危機というのは、自分はなぜこんなことをしているのだろう、という疑問ではないかと思います。なぜ自分は働いているのか、なぜこの仕事をしているのかという疑問は少しずつ仕事に慣れて、自分を客観的に見られるようになったころに芽生えることが多いようです。
今の皆さんの立ち位置を客観的、より大局的に考えてもらうために、少々極端な話をします。今、世界では、学生であったり、結婚を控えていたりするような若者たちが国家によって強制的に戦場に連れ出されています。大義もなく、見返りもないままに劣悪な環境で、人の命を奪ったり奪われたり、誰かが作った建物やインフラを破壊する仕事に就かされています。
それに比べれば私たちは今、平和な社会の中で、みんなの生活の快適さや安全性、そして笑顔や幸せを作ることに繋がる仕事に就くことができています。これは大変幸せなことです。しかし、この平和は勝手に未来永劫続いていくものではありません。平和の維持、持続的な社会の構築、地球環境の保全など、私たちが仕事や一人の市民としての義務を果たすことを通じて実現していかない限り、いつか失われてしまうものでもあります。私たちが皆さんの幸福や成長に責任を負っているのと同様、皆さんもまたその次の世代に対して責任を負っていることを忘れないでください。いつか皆さんが、「自分は何のためにこの仕事をしているのだろう」と迷ったときには、ぜひ自分の仕事が、どんな社会的な意義に繋がっているのか、そのことを思い出していただきたいと思います。

滋賀県知事   三日月 大造様より以下の通りメッセージをいただきました。
有り難うございました。
祝 辞
2023年度の新入社員の皆様、御入社おめでとうございます。未来ある皆様が滋賀県で働くことを選択され、社会人として滋賀の未来を作り上げていただく一歩を踏み出されたことを大変嬉しく思います。
地域経済、また社会の担い手として、生産や消費、さらには雇用・地域づくりなどの面において大変重要な役割を担っている企業の一員として働く誇りを胸に、これからの仕事に取り組んでいただきたいと思います。
新入社員の皆様は、これから始まる仕事への期待や不安が混ざり合い複雑な心情をお持ちのことでしょう。また、未曾有のコロナ禍により、日常や通常が大きく変わり、これまで当たり前だと思っていた“つながり”が分断された中で学生生活を送られた方も多いのではないでしょうか。そのような中で、皆様が入社された企業の経営者の方々は、常に学び合い、コロナに負けない会社づくりに向けて努力されております。
新入社員合同入社式には様々な経歴や年齢の方々が、この滋賀の地で新たに社会人生活を始められる同志として集っておられることと思います。ぜひ、この機会に悩みや喜びを分かち合えるネットワークを築き、仲間と助け合いながら、これからの新生活を充実させていただきたいと思います。
滋賀県では未来をつくっていくための将来ビジョンである基本構想に基づき、滋賀の強みを伸ばしながら「ひと」「社会・経済」「自然」全ての面で充足した「健康しが」を、皆様とともにつくりあげていこうと呼びかけているところです。
また、昨年は長引くコロナ禍や原油価格・物価高騰などの危機において、事業者の皆様の資金繰り支援や県内消費の喚起に取り組んできました。今年度においては、いよいよコロナを乗り越え、府県境や国境も越え、様々な物事を超越して、「シン・ジダイ」を実現するため、新たなチャレンジをする1年にしたいと考えています。
皆様の活躍を期待しています。一緒に頑張りましょう!