滋賀県中小企業家同友会

委員会活動について-共育委員会-

10月24日 立命館大学「キャリアデザイン」講義第4講で㈱アルフ代表取締役  吉本猛さんが講義をいたしました。

共育・求人委員会 その他活動

(一社)滋賀県中小企業家同友会と立命館大学経済学部との協力協定に基づいてスタートした同学部2回生対象の「キャリアデザイン講義」(担当:共育・求人委員会)第5講が10月24日(金)16:20~17:50まで立命館大学で開催され、株式会社アルフ 代表取締役の吉本猛さんより「人生の目的と天職の見つけ方」をテーマにお話しいただき、約130名の学生が出席しました。

【㈱アルフについて】㈱アルフではサッシ取付工事、外構工事、住宅設計販売を主な事業とされています。販売する住宅は流行に左右されないことを目的に設計され、また世界的に著名な建築家で1923年落成の帝国ホテルを設計したことで知られる米国のフランクロイドライト氏の財団の認定を受けています。吉本さんは「100年住める住まいづくり」を目指し、日本の住宅の室温の寒さを指摘されました。世界的に見て日本における冬の住宅の室温は寒く、本州の木造住宅の断熱性能は北海道の住宅よりも劣ります。低い室温はヒートショックに繋がります。驚くことにヒートショックの死亡者数は交通事故死亡者の4倍にもなるそうです。

【私の人生と目的】 吉本さんは静岡大学を卒業後、黎明期のSoftBankに入社しました。多数の新卒者が入社する環境のため、26歳で部下を30人以上抱えていました。27歳で年収1000万円を超え、さらにストックオプションで1億2500万円を獲得。強制的な残業や今ならパワハラといわれるようなこともがあったそうですが、人一倍成果をあげ、「社内では風を切るように歩いていて、完全に天狗になっていた」と振り返ります。退職後、サッシ販売/外構工事を主とする家業の㈱アルフに29歳で入社され、38歳で代表取締役社長に就任。人を雇うことになりましたが、SoftBank時代と同じような部下への接し方をしたため、結果として多くの部下が短期間で辞めてしまいました。40代前半の時には難病を抱えた奥様の容態が悪化したため、今まで仕事の多忙を理由に育児などで無理をさせてしまった妻を労らわないといけないと実感。奥様や社員といった人との縁を大切にしなければと痛感され、「縁ある人を物心両面で幸せにしたい」を吉本さん個人の人生の理念に定められました。18年後の定年には会社を退職することを既に決められていて、「退職後には全国のサッシ屋を回って支援をしたい」と想いを語られました。

吉本さんは40代中頃にアチーブメント研修を受け、人生の目的を再構築する重要性を実感。学生にも自分の人生の理念を考えるよう促しました。また自分のための「FOR ME」ではなく、他者のための「FOR YOU」の精神を大切にし、毎日セルフカウンセリングを行いながら、自分の求めるものや大切なものはなにかを探求し続けています。

 

 

【経営理念と就活の関係性】日本に中小企業は約320万社存在します。経営理念を掲げる企業は全体の20%で、そして理念が浸透している企業はさらに20%に過ぎません。つまり100社中わずか4社であり、その中でも㈱アルフは「100年先も住み継がれる住まいづくりに貢献する」を理念に掲げていること強調しました。

吉本さん自身は1995年の就活時に多くの有名企業の内定を獲得できた理由として、企業理念と自分がどのように合致しているのか、また理念を基にどのように会社に自分を役立てることができるかの2点を採用担当者や役員に伝えたことによって、企業理念を社員に浸透させたい企業から歓迎され、内定に繋がったと経験を語りました。その経験から、学生に向けて面接時に企業の理念の有無や浸透度合いについて質問することを提案し、企業と学生の双方がお互いに不可欠な存在であることをアピールして、win-winの関係を築くことの重要性を訴えました。また、コップに半分の水がある状態の受け止め方を例にして、「事実は一つだが解釈は無数。大切なことは事実をポジティブに考えること」だと締めくくりました。 (記 事務局員 横江裕聖)