滋賀県中小企業家同友会

委員会活動について-共育委員会-

10月31日 立命館大学「キャリアデザイン」講義第5講で㈱セブンズ代表取締役 原田裕次郎さんが講義をいたしました。

共育・求人委員会 その他活動

(一社)滋賀県中小企業家同友会と立命館大学経済学部との協力協定に基づいてスタートした同学部2回生対象の「キャリアデザイン講義」(担当:共育・求人委員会)第6講が10月31日(木)16:20~17:50まで立命館大学で開催され、株式会社セブンズ 代表取締役の原田裕次郎さんより「露店販売からメーカーへ人生が豊かになる仕事選びについて~」をテーマにお話しいただき、約130名の学生が出席しました。

【㈱セブンズについて】原田さんは㈱セブンズ(旧スナッツフーズ)を、リーマンショック発生の2008年に創業しました。創業のきっかけは前職の機械図面設計の業務が不景気で激減したことでした。今までは会社のおかげで安定していたと気づき、「自分の安定は自分でつくらなければならない」と痛感。退職後、クレープ屋を創業されました。

㈱セブンズは主にクレープ等の冷凍洋菓子の製造と卸売を事業としています。もともとは膳所ときめき坂の5坪の店舗とキッチンカーでの販売からスタートされました。クレープで大きく成長していきたいという思いの下創業されましたが、当時はクレープ販売の売上は一日当たり20~30万円の限りがあるというのが業界の常識でした。しかし原田さんは販売工程の見直しによって提供スピードの改善と省人化に成功。一日売上が100万円を達成し、業界常識を超える大幅な売り上げ増加につながりました。クレープは店頭で注文を受けてから焼き始めるため、イベント会場によくある‘焼きそば’や‘唐揚げ’のお店と異なり、行列をみながら調理数を調整することができないという課題がありました。またクレープを焼く工程には技術が必要で属人性が強かったのです。原田さんは工程を分析し、店先でクリームなどをつめこむだけでよい、成形済みの冷凍クレープ生地を開発しました。大量販売が可能になり、従来のクレープ屋のように提供に時間を要しなくなったことで、たくさんのお客さんにおいしいクレープを提供することが可能となりました。この技術は特許も取得し、業界で注目され、クレープ製造の依頼が舞い込むようになり、野洲市南桜においてクレープを製造するメーカーへと成長しました。

【私の仕事選びへの考え方】。日本には総務省発表の職業分類によると約18000種類もの職業があります。原田さんは学生に向けて【たくさんある仕事の中から自分に合う仕事はどのように選択すればよいか?】について、職業の選択には3つの要素があり、①価値観(大事にしたいこと) ②情熱(好きなこと) ③才能(得意なこと)で、原田さんはこれらの要素を兼ね備えた職業を選択することが、人生を豊かにする仕事であるとおっしゃられ、これを軸にして就活をするのが良いのではとアドバイス。加えて「キーパーはキーパーをするためにサッカーを始めたわけではないと思う。」として、その人にとって仕事や業務内容に合う合わないがあるので、学生には時間単位でアルバイトができるタイミー等のアプリを活用して様々な業種を体験し、職業選択の幅を広げてほしいと想いを語られました。

【学生に向けて】これから就活をする学生に向けて伝えたいこととして、努力には正しい努力というのがあり、①挨拶と礼儀は大切にする ②基本を徹底に守る ③センスがないならやめる ④基本を完璧にして習得したうえで、自己流にアレンジしてみる。という4つの点を挙げ、これから様々な努力をする学生に向けて、就活のみならず、原田さんの様に起業を考える場面で参考にして行動してほしいと想いを語られました。

最後に、原田さんは「㈱セブンズのさらなる目標は①クレープの大量製造に向けて、機械を導入するための資金調達と②独自開発のクレープ生地で特許取得済みのアメリカ国内でのクレープ販売です」と今後の展望をおっしゃられて講演を締めくくられました。

(記 事務局員 横江裕聖)