滋賀県中小企業家同友会と立命館大学経済学部との協力協定に基づいてスタートした同学部2回生対象の「キャリアデザイン講義」(担当:共育・求人委員会)第7講が11月8日(金)16:20~17:50まで立命館大学で開催され、株式会社プレイ比良 代表取締役 田中和樹さんより「ライフデザインとキャリアデザイン」をテーマにお話しいただき、約130名の学生が出席しました。
【㈱プレイ比良について】㈱プレイ比良はダスキンFC加盟店として大津市月輪の本社を中心に滋賀県を中心に清掃請負、害虫防除、家事代行、環境衛生サービス業を主な事業とされています。㈱プレイ比良は施設や飲食店に赴いて衛生管理のプロとして顧客の衛生環境のニーズに合わせた清掃サービスを提供しています。昨今では衛生意識の高まりと、職場の働き方改革や業務効率化のための清掃の外注、一般家庭では夫婦共働き、高齢世帯の増加により「お掃除」需要は増え続けています。
【私の人生と経営理念】現在40歳の田中さんは大学中退後、20歳で家業の現在の㈱プレイ比良に入社しました。清掃の仕事はお客様との契約に基づいて清掃箇所を決めるので、淡々と仕事をこなしていました。しかしある時、体が不自由なお客様に自宅の清掃を大変感謝されたことで、自分には奉仕の精神が無かったと痛感。
24歳から大阪にあるダスキン直営店に勤務、その後自社の状況が厳しくなり、売上げと顧客の確保を急いで伸ばす必要に迫られる中で㈱プレイ比良に戻った田中さんは、「当時の私は理想が高く、他責思考があり周りの従業員にイライラしていた」と振り返ります。30歳で常務取締役に就任。会社から従業員が去っていったことで、さらにイライラするようになっていきました。
そのような中、知り合いの経営者に(一社)滋賀県中小企業家同友会に経営課題を一緒に解決していこうと誘われ入会しました。その後32歳で経営指針を創る会を受講し、経営理念の策定にあたって「自分と自社の将来はどうあって欲しいのか」について真剣に向き合いました。自社の事業の「おそうじ」を自分なりに考えた結果、顧客に清潔な環境を提供し健康になってもらうには、自分たちが健康でなければならないと思い、経営理念を『健やかな人となり、健やかな人と環境を創り出す』と定めました。この理念をもとに、「労働環境の改善や社員共育など、よりよい会社を目指していきたい」と想いを語られました。
【キャリア形成についての考え方】田中さんは学生に向けて、キャリア形成にはライフデザイン「人生設計」とキャリアデザイン「行動指針の設計」は同時進行であっても良いと示されました。主に登山型とトレッキング型があり、登山型は意図的につくるキャリアで一つの目標に向かって努力し突き進むこと。トレッキング型は結果的にできるキャリアで唯一の目標はないが様々な経験で人生を進めるタイプです。
田中さんは学生たちに自分自身で問いながら、広い視野をもって様々な仕事に目を向けてほしいと強調されました。最後に「自分の人生の主役に自分がなっていきましょう」と学生への期待をおっしゃられて講演を締めくくられました。