滋賀県中小企業家同友会

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2018年度 立命館大学経済学部2回生キャリアデザイン講義第6講~人を大切にする経営を立石豊㈱シンコーメタリコン社長が報告しました~

共育・求人委員会 その他活動

滋賀県中小企業家同友会と立命館大学経済学部との協力協定に基づいてスタートした同学部2回生対象の「キャリアデザイン講義」(担当:共育・求人委員会)第6講が5月17日(木)16:20~17:50まで立命館大学びわこ・くさつキャンパスで開催され、滋賀県中小企業家同友会の㈱シンコーメタリコン 代表取締役 立石豊さんより「滋賀でいちばん大切にしたい会社~人を大切にする経営」をテーマに概要以下の通り講義をしていただきました。

京都生まれの立石さんは、1983年に大阪芸術大学映像敬家区学科を卒業し1985年に㈱シンコーメタリコンに入社されます。1994年33歳のときに代表取締役社長に就任。現在、日本溶射工業会の会長や滋賀県男女共同参画審議会の委員など内外でもご活躍されています。

㈱シンコーメタリコンは、立石さんの祖父が創業し日本で最初に溶射をはじめた会社です。
溶射とは、金属やセラミックス、サーメットなどをさまざまな熱源を用い溶融噴射し、基材表面に材料を噴きつけて機能皮膜を形成する表面改質技術です。
溶射の作業はとても過酷といわれ、夏は暑く冬は寒い、そして埃まみれの環境の中での作業です。そんな溶射の会社で㈱シンコーメタリコンでは86パーセントの社員が「この会社で働けて良かった」と感じています。日本企業の社員満足度はわずか7パーセントといわれている中、溶射という過酷な環境にもかかわらず、これだけの社員満足度がある理由は立石さんの社員に対する「おせっかい」と「アットホーム」な社風が要因だといえます。

具体的には、こんなユニークな取り組みをされています。

①ドリームセブン「とにかく全社員1年に1回7日間の連続休暇を楽しむ」

②イクメンファイブ「とにかく子供が生まれたら5日間の連続休暇を取得しママを助ける」

③育児休暇・育休出勤「毎月1回の子育面談」

④自己評価制度「自分で評価・アピールします」

⑤各賞受賞支援「若者マイスター、現代の名工、黄綬褒章」

⑥定年後継続勤務「75歳を超えても、働いている方がいます。高度な技能を若手技術者に継承しています。」

⑦新人教育(チューター制度)です。「入社してから教育担当がつき、新入社員の相談に乗ったり、きめ細やかなフォローをします。」

他にもこんな福利厚生があります。

①社員旅行「全て海外旅行、旅費:全て会社負担、お小遣い支給」

②各種手当「決算賞与(儲かったらみんなで山分け)、資格手当10万、誕生日手当、10万、スーツ手当10万、すべて現金支給です」

③社内結婚「女性独身社員の50パーセントが社内結婚、社内手作りウエディングパーティー」

④部活支援「サッカー部、野球部」

⑤社員貢献・地域活動「びわこ100km.歩行大会、びわこペーロン大会」

⑥健康管理「年に一度産業医によるインフルエンザ予防接種」

⑦送別会・OB会「社内手作り感動の送別会、退職しても家族、年に2回のOB会」

⑧家族へのメッセージ「結婚記念日にホテル食事券とメッセージカード、社員の誕生日にご両親へ手紙を送付」

また、「恋するフォーチュンクッキーシンコーメタリコンVer.」というYouTubeにアップされている会社紹介動画(全社員参加)では、社員みんなが笑顔でイキイキとしている様子が写っていて、社内のアットホームな雰囲気が伝わってきます。


「社員を大切にしています」と口で言うことは簡単です。しかし、ここまで社員思いの福利厚生を整備し、社長自らがその取り組みの先頭に立っている会社は殆ど無いと思います。
何よりも、立石さんの「会社は家族」と愛情を持って一人ひとりの社員と全力で向き合っている姿勢こそが「人を大切にする経営」の実践につながっているのだと感じられる講義でした。ありがとうございました。