滋賀県中小企業家同友会

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立命館大学経済学部キャリアデザイン講義第12講~“生きる・働く・暮らす”の実現~

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滋賀県中小企業家同友会と立命館大学経済学部との協力協定に基づいて大津市、草津市とも連携してスタートした同学部1回生対象の「キャリアデザイン」講義第12講が12月14日(水)16:20~17:50まで立命館大学びわこ・くさつキャンパスで開催され、滋賀県中小企業家同友会会員の(社福)八身福祉会 施設長 小島 滋之さんより「“生きる・働く・暮らす”の実現」をテーマに講演していただきました。

(社福)八身福祉会は、就労が困難な方々の働きたいという想いを支援し、労働を通じて共生社会創りを目指しておられます。
障がい者の働き方、働く場をつくるとは、就労を支援する上での障がいが何かを考え、働き暮らし続けることや働きがいを見出す上での障害に対し、想いと創意と専門性をもって支援に取り組むことです。
例えば、数を数えられない(知的障がい)からこの仕事は無理だと決めつけるのではなく、どうやってこの仕事をしてもらうかを考え、障がい者の働きたい!に応えることです。知的が障害なのではなく、作業上必要となる計数が出来ないことが仕事へ向かうことにおいての障害であり、数を数えられなくても、治具を工夫することで計数は可能なのです。
では、働くとは何か。何で働くか?ほとんどの人が「生活のため」「お金が必要だから」と答えるのではないでしょうか。
しかし、金銭の価値が分からない障がい者の方も毎日休まず頑張って働き、工賃を受け取りに来られます。それは、労働することによって価値ある存在と認められ、欲求が満たされるからではないでしょうか。
労働が人に果たす役割として、心理的要素と生物学要素があります。
心理的要素は、生理的欲求→安全の欲求→所属と愛の欲求→承認(尊重)の欲求→自己実現の欲求というように段階的な欲求があり「人間は自己実現に向かって絶えず成長する生き物である」とマズローが仮定する通り、人は成長を望んでいます。
生物学的要素は、目的意識的に自然にはたらき掛けるという労働が進化の過程でヒトとサルを隔て、働くことが「人として生きること」そのものです。また、ヒトはヒト同志が関わらずには生きていけない動物として進化を遂げていきました。人間は、労働によって進化・発達し、役割という存在意義をもって協力して人と関わらなければ生きられない生き物です。お金を得るためとは違う角度から働くということについて教えていただきました。

日本の現状は、人口自然増減率が9年連続で減少し、毎年20万人以上の総人口が減っています。こうした問題の中、労働者(就労者)までもが減ってきています。すると市場の縮小、GDPの減少、自治体の崩壊、社会保障費の拡大などの影響が及ぶなど、日本の未来は課題だらけです。
すぐ側の地域が抱える課題は「自治会加入者の減少」「高齢化、若者の流出による人手不足」「独居や老老介護等の危機的世帯」「空き家の増加」「耕作放棄で荒れ果てた田畑」などがあります。
また、人がコスト化してしまった派遣労働など働く概念が変化してきています。オートメーション化、生産の海外移管、労働過多によるストレス、家族関係の希薄化など、不安定な労働が不安定な生活になり、結果、働くことそのものに支援が必要な方が増えてきています。

このような課題を解決していくために、地域に存在する事業所としてできることは、「地域課題を、地域と共に解決する」ことです。顔の見える地域という小さな取り組みで中小企業所だからこそ課題の解決に手を伸ばせることがあると、(社福)八身福祉会では、空き家と休耕地を利用して障がいのある方の就労支援事業を展開し、地域の高齢者の活躍の場を創設するというモデル事業を始めるそうです。この事業は障がい者をはじめとする就労困難者が役に立てる存在にと変わっていけるようにとの思いから挑戦されるそうです。
社会背景を心の片隅に置いて頂き、身近な地域のことでも何か小さなことから「生きる・働く・暮らす」ことにご協力ください!と熱く語って下さいました。

働くことそのものの支援とは何か?なぜ必要か?を考えることが出来る講義でした。
小島さんありがとうございました。

滋賀県中小企業家同友会
事務局員 中村 香澄