滋賀県中小企業家同友会

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立命館大学経済学部キャリア講座第4講が行われました~中小企業の海外(ASEAN)戦略

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滋賀県中小企業家同友会と立命館大学経済学部との協力協定に基づいて大津市、草津市とも連携してスタートした同学部1回生対象の「キャリアデザイン」講義第4講が10月19日(水)16:20~17:50まで立命館大学びわこ・くさつキャンパスで開催され、滋賀県中小企業家同友会理事で共育委員長の大洋産業㈱ 代表取締役 小田柿喜暢さんより「中小企業の海外(ASEAN)戦略」をテーマに講演していただきました。
 小田柿さんは、大学卒業後、大手の電機メーカーに就職されます。そこは、年功序列・日本的人材育成で、休みの時に休んだら「何で休んだの?」と言われ、精神力を求められる働き方をしていたそうです。そんな経験を経て、2000年に大洋産業㈱に入社され、2008年に代表取締役に就任されますが、リーマンショックで業績が悪化!「中小企業も攻めないといけない!」と、2012年に海外(ベトナム)へ事業展開をされました。
また、経営理念にある「“配管”“水環境”“組立”の技術・技能で、社会の発展に貢献し、住み良い地球環境を創造します。」とあることも海外展開の理由の一つだそうです。なぜなら、地球環境ということは世界規模で考えないといけないからです。
現在、ベトナムの現地法人は、日本人が一人とベトナム人二人の三人体制で経営されているそうです。
  東南アジアは水事業に課題を抱えています。日本では水道からきれいな水が出てくるのは当たり前ですが、東南アジアでは水道の水を直接飲むことは出来ません。そのため、お金持ちの人は家庭用浄水器を使っています。浄水機は富裕層の人達に人気の商品ですが、今後、社会が発展していくと「蛇口からきれいな水が出てほしい」と浄水器を欲しがる人が増えていき、さらに次は、お風呂の水もきれいな方がいいと、水需要は拡大していくと考えられます。

小田柿さんは事業を展開する際に、次のようなことを考えながら進められるそうです。
新しいことにチャレンジするのだから、怖いと思うのは当たり前。そして、分からないのも当たり前。だからこそ調べて判断をする。何もしなければ、ずっと分からないまま。今は情報が得やすい時代で、ネットで何でも調べられるから、分からないことはどんどん調べればいい。
また、リスキーでも革新か保守しかないのだから前に進んでいく。
早すぎるとか身の丈に合ってないと言われても、何と比べて早いのか、遅いのか、冷静に考える。それに、早くないとビジネスにはならない。
そして、先人は今の会社をどんな思いで創業したのかと考えて判断しているそうです。

最後に、小田柿さんの好きな言葉は「波乱万丈」「隗より始めよ」で、宇宙規模からすると瞬きしている間に消えてしまう人生を自分なりに満足したい、何もせず終わるより何か足跡を残していった方がおもしろい、小さなことをコツコツしていかないと成果は得られないと熱く語ってくださいました。
また、大学生の方に「あなたの好きな言葉は何ですか?」「それは、どうしてですか?」「その言葉を体現していますか?」社会人になると時間に追われて考えられないので学生の間に考えてみてほしいと問いかけておられました。
 東南アジアの写真を用いてお話ししていただき、見て・聞いて、たくさん学ばせていただいた時間でした。小田柿さん、ありがとうございました。

滋賀県中小企業家同友会
事務局員 中村香澄