滋賀県中小企業家同友会

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2019年度 立命館大学経済学部キャリアデザイン講義第9講 ㈱シンコーメタリコン 代表取締役 立石 豊さんが講演!

共育・求人委員会 その他活動

 

滋賀県中小企業家同友会と立命館大学経済学部との協力協定に基づいてスタートした同学部2回生対象の「キャリアデザイン講義」(担当:共育・求人委員会)第9講が11月21日(木)16:20~17:50まで立命館大学びわこ・くさつキャンパスで開催され、㈱シンコーメタリコン 代表取締役 立石 豊さん(滋賀県中小企業家同友会 甲賀支部所属)より「『人を大切にする経営』究極のおせっかいは『社員ファースト』」をテーマに概要以下の通り講義をしていただきました。

㈱シンコーメタリコンは、立石さんの祖父が創業し日本で最初に溶射をはじめた会社です。
溶射とは、金属やセラミック(溶射材)などをさまざまな熱源により加熱し、溶融またはそれに近い状態にした粒子を物体(基材)表面に吹き付けて皮膜を形成する表面改善技術です。
溶射は様々な場面で採用されています。例えば航空機のジェットエンジンや自動車やバイクのエンジンブロック・バルブなどに使用され耐熱・耐摩擦・耐摩耗・耐熱衝撃・耐焼付け防止に機能し耐性がアップされています。また、医療分野では人工骨・人口関節・インプラントに使用され生体への親和性向上の機能があります。
このように溶射は、機械を強くたくましく加工する技術です。
シンコーメタリコンは「日本を、機械長寿の国に。」という熱い想いを胸に、溶射の可能性を追求しつづけられています。

そんな溶射の作業は3K(きつい・汚い・危険)と言われ、とても過酷な環境の中での作業です。立石社長が就任された当時は、離職率が40%でした。そこで、社員がどうやったら働きやすいかを考え、独自の改革に取り組まれます。

①ドリームセブン「とにかく全社員1年に1回7日間の連続休暇を楽しむ」

②イクメンファイブ「とにかく子供が生まれたら5日間の連続休暇を取得しママを助ける」

③育児休暇・育休出勤「毎月1回赤ちゃんと出社し子育面談」
さらに働くママを応援するため、スライドワーク・短時間勤務も導入
2018年1月1日には、立石社長がイクボス宣言を行いました(イクボスとは、職場で共に働く部下のワーク・ライフ・バランスを応援しながら、業績も結果も出しつつ、自らも仕事と生活を充実させている上司のことです)

④自己評価制度「自分で評価・アピールします」
全社員個人面談を年2回1人20分行い、社員は自分を評価・アピールし、社長は社員個々の方向性を伝え、応援・叱咤激励をします。これが、最大のモチベーションアップです。

⑤各賞受賞支援「若者マイスター、現代の名工、黄綬褒章」

⑥定年後継続勤務「75歳を超えても、働いている方がいます。高度な技能を若手技術者に継承しています。」

⑦新人教育(チューター制度)「入社してから教育担当がつき、新入社員の相談に乗ったり、きめ細やかなフォローをします。」
キーワードはコミュニケーション。入社後6ヶ月研修として全ての部署を3ヶ月×2回研修します。これは、全部署を回って社員の顔と名前を覚えてもらうための研修です。

福利厚生も充実しています。

①社員旅行「全て海外旅行、旅費:全て会社負担、お小遣い支給」

②各種手当「決算賞与(儲かったらみんなで山分け)、資格手当10万、誕生日手当、10万、スーツ手当10万、すべて現金支給」

③社内結婚「女性独身社員の50パーセントが社内結婚、社内手作りウエディングパーティー」

④部活支援「サッカー部、野球部」

⑤社会貢献・地域活動「びわこ100km.歩行大会、びわこペーロン大会」

⑥健康管理「年に一度産業医によるインフルエンザ予防接種」

⑦送別会・OB会「社内手作り感動の送別会、退職しても家族、年に2回のOB会」

⑧社長賞「全員参加の一泊二日の大忘年会で、昇給や賞与では評価できなかった社員にもチャンスを」

⑨家族へのメッセージ「結婚記念日にホテル食事券とメッセージカード、社員の誕生日にご両親へ手紙を送付」

社員の幸せと成長を追及する「人を大切にする」大家族経営の実践の成果として「2014年度滋賀県でいちばん大切にしたい会社」「第5回ホワイト企業大賞 人間愛経営賞」を受賞されています。
人を大切にする経営とはどういう経営かを学ぶことができました。立石さんありがとうございました。