滋賀県中小企業家同友会

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2019年度 立命館大学経済学部キャリアデザイン講義第12講 ㈱ジョーニシ 代表取締役 中野 裕介さんが講演!

共育・求人委員会 その他活動

滋賀県中小企業家同友会と立命館大学経済学部との協力協定に基づいてスタートした同学部2回生対象の「キャリアデザイン講義」(担当:共育・求人委員会)第12講が12月12日(木)16:20~17:50まで立命館大学びわこ・くさつキャンパスで開催され、㈱ジョーニシ 代表取締役 中野 裕介さん(滋賀県中小企業家同友会 甲賀支部所属)より「農機業界から見た日本の未来~私たちが今考えるべきこと~」をテーマに概要以下の通り講義をしていただきました。

■会社について
㈱ジョーニシは、1936年に農機具の修理・製造業として創業。
農業用作業機械の開発・販売を主にしておられましたが、時代の流れによって事業内容も変化し、現在はホームセンター業界、建設機械業界、駐車場業界等多方面の仕事をしておられます。それは、事業はずっと続くわけではないからです。会社を維持・発展させていくためには、色んなアンテナをはり時代に合わせて変化していく必要があるからだと仰います。
そして、経営理念は「共存共栄」社長をはじめ、社員が共に支え合い、成長することによって、お客様はもとより、関係会社、地域の皆様と共に行き、繁栄し続けようという創業者の教えを理念としているそうです。それを従業員に分かりやすく伝えたいと昨年、理念の実現にむけた10年ミッションを作成されました。(10年ビジョン)
笑顔が溢れる豊かな未来をめざして~農業に関るメーカーとして、異なる事業を通して培われた技術力を結集し、「本当にお客様が必要としているモノ」を追求します。そして、「気付き」を開発に活かし、「良いモノ」を創り出すことによって、社員そしてみなさまと共に「笑顔溢れる豊かな未来」をめざします。それが当社のミッションです。~
社員と共に何の為に仕事をしているのか、誰の為に何をするのかを明確に伝えるために作成されたそうです。
また、会社名だけでは何をやっている会社か分かりにくいので、昨年からイメージキャラクター(ジョニンちゃん)を作り、㈱ジョーニシは甲賀市にある農業に関する事業をしている会社と農家の方達へ知ってもらい、認知度を高めていくためにブランディングを行っているそうです。

■農機業界から見た日本の未来
日本農業の課題は、まず担い手の高齢化です。平均年齢は67歳で、農業就業人口も年々減っています。10年後には100万人以下になるとまで言われています。また、農業就業人口の減少に伴い、国内向け農業機械の出荷台数も年々減少している状況です。
その問題を解決していく為には、誰もが簡単に安心して「効率的」「高付加価値」な農作物の育成ができる未来の実現が不可欠です。人手不足への対応や生産性の向上を進めるためには、ICTを活用したスマート農業の推進が重要です。㈱ジョーニシでは、GPS自動走行技術、ICT、ビッグデータ活用精密農業AI技術、高度営農サポートなど様々な新たな挑戦に取り組んでおられます。
また、国としても新規就農者、高度営農者へのデジタルサポートで日本の食糧自給率を37パーセントから令和7年には45パーセントになるようにと自給率を高める取り組みを推進しています。

■これからの時代を生き抜くみなさんへ
人生100年時代です。医療の技術が進み2050年には2人に1人が100歳まで生きられる時代になると言われ、75歳まで働く時代が訪れるかもしれません。
そこでみなさんに聞きたいのは、働く実感はありますか?お金以外で何のために働くかを考えたことはありますか?ということです。
海外では“働く”の意味が様々です。
英語圏での働くは「Work」と「Labour」とがあります。Workは、使用価値を作る仕事。Labourは、交換価値をつくり出す仕事。
フランスでの働くは「Travail(トラヴァーユ)」といわれ、労働・拷問・責め苦・苦しみとの意味があるそうです。
日本では古くから、はた(側)を楽にすることが働くことだといわれています。
働き方改革とは、働く事への価値観の変化ではないでしょうか。

そして、「働きがい」について次のようにお話いただきました。
〇マネジメント(信用)(尊敬)(公正)勤務している会社や経営者を信頼できる。
〇仕事(誇り)自分が行っている仕事に誇りを持てる。
〇従業員・仲間(連帯感)一緒に働いている仲間と連帯感を持てる。
この、信用・尊敬・公正・誇り・連帯感という5つの要素が「働きがい」を構成するものであると位置づけられています。
会社や経営者、管理者を信頼し、自分の仕事に誇りを持ち、一緒に働いている人たちと連帯感を持てる会社が働きがいのある会社ということです。
価値観の共有が自己成長をうながし働きがいを感じますので、経営者の努力はもちろん、働いている本人の意識改革も大切であると考えられます。

働くことは、あらたな成長のスタートです。情報化社会において、コミュニケーションの取り方、働き方は大きく変革をしています。ですが、人としての働きがいの本質は、あまり変化をしていません。まずは自分が好きなこと興味のあることを考えてみてください。考えることが、人生を豊かにする第一歩です。

最後に、就職がゴールだと勘違いしないで下さい。就職はスタートです。今、みなさんはスタートラインに立つ準備をしている段階です。本日のテーマでもある今考えるべきこと、それは「なぜ働くのか?」ですとお話いただきました。中野さん、ありがとうございました。