滋賀県中小企業家同友会

委員会活動について-共育委員会-

2021年度 立命館大学経済学部キャリアデザイン講義第4講 ㈱七黒 七黒幸太郎さんがご講演!

共育・求人委員会 その他活動

滋賀中小企業家同友会と立命大学経済学部との協力協定に基づいてスタートした同学生2回生の「キャリアデザイン講義」(担当:共育・求人委員会)第4講が10月21日(木)16:20~17:50まで立命館大学びわこ・くさつキャンパスで開催され、(株)七黒 代表取締役・くろーば合同会社 代表取締役 七黒 幸太郎さん(滋賀県中小企業家同友会 副代表理事)より「社長が変われば社員が・企業が・地域が変わる」をテーマに講義していただきました。

(株)七黒は七黒さんが18歳の時に起業しました。工事現場などに仮設の足場を組む足場業で、家の建築工事から、神社で行われる催事の土台まで、幅広い現場の足場を組んでおられます。創業当時は、会社を大きくするため、自分の欲しいものを手に入れるために、従業員に過酷な労働を強いていたそうです。当然、そのような環境では従業員はすぐ辞めてしまいます。従業員がすぐ辞めてしまうために、常に人に仕事を教え続けるような状態で、生産性は落ち、売上は上がるが利益は出ないという苦しい状況になってしまいました。どうしようかと頭を悩ませていた七黒さんは同友会と出会います。
入会して間もない頃、先輩経営者から言われた「目標も目的もない会社で働いている社員は、船を漕いで同じ場所を堂々巡りしているような気持だろうね。」との指摘に衝撃を受けます。自社がまさにそうだと感じた七黒さんは、経営指針を創る会を受講し、経営理念策定に注力します。

「㈱七黒は豊かな空間を創造します。安心して働き続けられる組織へ。」
これまでは、自分主体で経営をしてきたが、一緒に働くスタッフや、取引先など自分たちが関わる人全てが安心して過ごしていける組織を創る。四苦八苦しながら作成した理念には、そんな想いを込めました。

七黒さんは作成した経営指針を軸に、これまでの経営を抜本的に見直していきました。
社員にこれまで以上の”時間的なゆとり”と”経済的なゆとり”を与えることを約束し、代わりに社員に「常に全力より少しプラスした力で業務にあたる」ことをお願します。これは、時間的・経済的なゆとりから、社員のモチベーションが向上し、新たな利益を生み、その利益でさらに社員のゆとりを増やしていく”好循環の種まきサイクル”を創ることが目的でした。

七黒さんが変わってから、会社は目まぐるしく変わっていきました。売上も順調に伸びていき、6年前に立ち上げたアパレル会社も好調です。「経営者が変われば、会社がよくなっていく。地域によい会社が増えれば人が集まり、地域がより賑やかになっていく。」と七黒さんは語ります。

最後のまとめとして、これからの社会を担う学生へ「皆さんがこれから社会に出て、何か上司から頼まれごとをされたら、まずは全力でチャレンジしてほしい。”頼まれごとは試されごと”という言葉もあります。周囲の人間は仕事の成否や巧拙だけを見ているのではありません。皆さんがどのような取り組み方をしているのかを見ているのです。もし、これから先に頼まれごとがあったら、その機会を糧に、周囲の人間と良好な人間関係を築けるように取り組んでほしいです。」とアドバイスを伝えました。

「経営者が変われば社員が・会社が・地域が変わる」のテーマに沿った熱いご報告でした。

七黒さん、ご講演ありがとうございました。