滋賀県中小企業家同友会

委員会活動について-共育委員会-

2022年度 立命館大学経済学部「キャリアデザイン」講義第8講で石川 朋之さん(㈱Honki 代表取締役)が講義をされました。

共育・求人委員会 その他活動

滋賀県中小企業家同友会と立命館大学経済学部との協力協定に基づいてスタートした同学部2回生対象の「キャリアデザイン講義」(担当:共育・求人委員会)第8講が11月17日(木)16:20~17:50まで立命館大学で開催され、株式会社Honki 代表取締役の石川 朋之さんよりご講義をいただきました。約130名の学生さんが出席し、「地域発世界へチャレンジする企業~流されるな。自ら未来を選択する人生であれ~」をテーマにお話しいただきました。

【私の人生】
石川さんの前職はプロのオートバイレーサーでした。オートバイレーサーを志したきっかけは、16歳の頃に読んだ漫画の『バリバリ伝説』でした。プロを志したとき周囲の人間の多くは大反対でしたが、高校卒業後に単身オートバイの世界に飛び込みました。オートバイレースと普段の生活は全くの無関係ではなく、レースでのタイヤのデータを元に、私たちが普段よく目にするタイヤが作られています。いくつもの困難を超えて、プロのオートバイレーサーになることができました。
オートバイレーサーをしていた石川さんの転機となったのは、同志社大学から講師の依頼が来たことでした。大学での講義をした後から、石川さんの元には多くの学生からの手紙が届きました。手紙の内容は「石川さんのお話を聞いて元気が出た」、「自分も夢を追いたい」といったものがほとんどでした。当時はリーマンショックで日本全体が大きな打撃を受け、学生たちにも夢を追うことを許さない社会情勢でした。石川さんは「これからの時代を背負っていく若者たちを元気にしたい!」という思いを抱くようになりました。他でもない自らの想いを形にするべく、オートバイレーサーに区切りを付けて会社を興しました。

【会社のこと】
株式会社Honkiは従業員約50名、人材系のコンサルティング会社です。コンサルティング以外はデジタル活用推進事業・飲食事業で、ドバイへの食品輸出とラーメン店の出店を行っています。ドバイは日本とは全く違っていて、ドバイに出店しているラーメン店は一杯2000円で提供しています。ドバイは海外のお金持ちにとって、日本におけるハワイのような立ち位置になります。日本食はドバイで大人気で、多くのお店が並んでいますが、その多くは日本人がオーナーではありません。「本当の日本食を現地の方に味わってほしい」との想いから食品の輸出事業を展開しました。石川さんは外国語を話すことができませんが、なんとかボディランゲージで現地のパートナーを見つけ、英語を話せる部下と繋ぎ、事業を形にしていきました。「マーケットだけの話をすれば、人口減少社会である日本はビジネスをするには苦しい状況です。世界という大きなマーケットに繰り出して、日本の良さを伝えていきたい」と石川さんは想いを語ります。

【伝えたいこと】
石川さんから学生に向けて伝えたいことは3つあります。

①やりたいことをやりきる
自分のやりたいことをやるということは、人生を選択するということです。人は誰しも選択し続けて生きています。どこに行くか、何を食べるか、全て選択です。それを自分の人生に置き換えて、自分がどう生きるのかを考え、選択してほしい。自分で選ぶと必ず面白い人生に向かっていくことができます。

②出会いを大切に
石川さんの右腕・左腕となる社員は、2人とも石川さんが会社にスカウトして入社しました。会社内のどの社員も、社員からの紹介や様々な縁で、会社に入ることになりました。人との出会いによって人生は豊かさを増していきます。

③バックエンド思考
バックエンド思考とは、常に限界ギリギリから勝負を始めてほしいということです。海外のレーサーから学んだことですが、日本の守り重視の走りと違い、海外のレーサーは常にギリギリの速度で走ってきます。練習段階から常に限界の状態で研鑽を積んできた彼らは、本番のレースでは素晴らしいタイムを出してきます。皆さんにもぜひ、限界にチャレンジしてほしい。