滋賀県中小企業家同友会

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12月4日 立命館大学「キャリアデザイン」講義第10講で山科精器㈱代表取締役社長 大日陽一郎さんが講義をいたしました。

共育・求人委員会 委員会レポート

2025年12月4日(木)16:40~18:00まで、立命館大学びわこ草津キャンパスで、同学部2回生を対象にした「キャリアデザイン講義」の第9講が開催されました。
この講義では山科精器株式会社の代表取締役 大日陽一郎さんから、『製造業のリアルから学ぶ 中小企業が「成長企業」と言われるまで』をテーマにご講義いただきました。


大日さんは、大学卒業後、東京の大手商社に就職され、法務・管理部門で35歳までサラリーマン生活を送られた後、山科精器㈱に入社。
当時の社内は他責志向が蔓延っており、会議も暗く、仕事が属人化、事業が蛸壺化しているような状態であったとのこと。
そのような中、コロナ禍による受注のストップを経験。1970年から約50年間売上が横ばいであったことを受け、人と組織を成長させることに全力を尽くそうと大日さんは決意されました。

また、お客様との接点から自社の印象を創るのは「製品」だけではないということに気付き、「少し値段が高くても買う価値のあるもの」を作る会社創りを目指されるようになります。
これを実現させるために、会社の制服を新たにデザイン、JR駅構内に自社広告掲示、自社HPの掲載などの外側を整える取組から、社員自身が自社の価値を理解し、共感・体現出来るような会社内部を整える取組を実施されました。

具体的には、社員教育だけでなく経営理念などの自社文化の共有や、スターバックスをモチーフにしたお洒落な食堂やオフィスを新社屋として構えるなどの環境整備が挙げられます。


社員が自社ブランドを理解・共感するための取組を重ね、各々の役割を認識した上で、現在では経営計画を実行フローや数字・売上重視に回帰させ、100億企業を目指されています。
また、これまでの取組が三菱UFJ銀行に評価され、人的資本経営評価の「B-」という評価を獲得されました。
講義の最後には、受講生の就職先選びについて、「会社」を見るのではなく「自分が何をしたいか」という考え方で仕事を選んでみるのもよいとアドバイスをされました。
受講された大学生自身が、就職に関する志向(大企業志向に偏っている状態)に気付き、中小企業の魅力に触れるきっかけとなるような講義となりました。