滋賀県中小企業家同友会と立命館大学経済学部との協力協定に基づいて大津市、草津市とも連携してスタートした同学部1回生対象の「キャリアデザイン」講義第10講が11月30日(水)16:20~17:50まで立命館大学びわこ・くさつキャンパスで開催され、滋賀県中小企業家同友会会員の㈱坂田工務店 代表取締役 坂田徳一さんより「地域社会に必要とされる企業づくり住まいづくり~地域の課題解決はネットワークとコミュニティ」をテーマに講演していただきました。
㈱坂田工務店は、明治25年に大津市の伊香立で創業され、百余年の歴史がある地域の工務店です。
経営理念は「木造の住まいづくりを通して、豊かな暮らしを創造します。
信頼と実績を基本とし、知識、技能、技術の継承と向上をはかり お客様と私達のために社会的存在価値のある会社を創ります。」お客様と地域に喜んで貰える家づくりをすること。親方から若手へと技術や知識を継承し、さらに時代に合わせ向上するという理念だそうです。
木の家というのは、親から子へ、子から孫へと住み続けられる家です。ヨーロッパでは、100年建ち続けた家というのは新築よりも価値があるそうです。それは、古い建造物を大切に保存し使い続けて、その地域の風景になるからだそうです。家づくりは箱(プレハブ)の産業から、暮らしの産業へ移行していき、長期間住み続ける事のできる地域に愛される建物に移行していくべきです。
そして住宅業界の現状として、「消費者の選択肢から外れた工務店の家づくり」「時代の変化に流される業界」「人口減少=家が余る時代」「箱の産業から暮らしの産業」「耐震化・省エネ化・リノベーション」とお話しいただきました。
家をもちたいと思った時、インターネット、CM、新聞、チラシと情報は得やすいですが、氾濫する情報から自分らしさの家をつくるためには「親や知人から情報をもらう」のが一番おすすめで、自分の家づくりを共に考えてくれる信頼できるパートナーを探すことが大切です。
木の魅力を伝えるために、家づくりをしたときに余ったヒノキをコースターにしたものを持ってきたくださり、「木の香り、木の温もり」を教えていただきました。
また、就活をする時に大企業以外にも、中小企業・小規模企業にも目を向けて、生き甲斐ややりがいを感じられるところが身近にあるということを知ってほしいと熱く語ってくださいました。
滋賀県中小企業家同友会
事務局員 中村 香澄