滋賀県中小企業家同友会

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立命館大学経済学部1回生キャリアデザイン講義第8講「世界にまみれて、世界を変えろ!」が開催されました。

共育・求人委員会 委員会レポート

滋賀県中小企業家同友会と立命館大学経済学部との協力協定に基づいて大津市、草津市とも連携してスタートした同学部1回生対象の「キャリアデザイン」講義第8講が11月16日(水)16:20~17:50まで立命館大学びわこ・くさつキャンパスで開催され、滋賀県中小企業家同友会会員の近江化成工業㈱ 代表取締役 小林 清さんより「世界にまみれて、世界を変えろ!」をテーマに講演していただきました。

小林さんは1964年東京オリンピックの年に生まれ、日本の大学で4年間、アメリカの大学で2年間学ばれた後、電子機器メーカーに就職、20年間の海外勤務を経験され、2007年に父が創業した会社を継がれました。
アメリカの大学では、ディスカッション形式の授業、月に1回のプレゼンテーション、グループワークや討論が辛かったそうです。しかし、距離を置いて客観的に自分を観察でき、自分軸を持ち主張することや強みを磨く重要性を学ばれたそうです。そして「自分の価値観が常に正しい訳ではない」ということも学ばれました。
プレゼンテーションとは「自分の知っている知識を伝える」ということで、誰に何を伝えるのかを考えて話すことが大切です。そして、討論とは違う意見を出し合って歩み寄るポイントを探すことだと仰います。

人生で大切な3つの基本設計図は、アカデミックデザインとキャリアデザインとライフデザインだと投げかけ、アカデミックデザインとは小学6年・中学3年・高校3年・大学4年の16年間の教養・社会適合性。キャリアデザインとは仕事を中心とした人生設計のことで22歳から60歳までの38年間の生計・自己実現・社会貢献。ライフデザインとは18歳から80歳までの人生設計のことで家族・仲間・ライフワーク・社会貢献であると解説しました。

国際社会で活躍している人達が受けているアカデミックデザインは、北ヨーロッパやシンガポールでは、10~12歳で分岐点が訪れるそうです。英国や欧米では個性やキャリアデザインを重視されるそうです。
日本と欧米での大きな違いは、日本は「全体底上げ」「新卒制度」「終身雇用」で、欧米は「エリート教育」「中途採用制度」「起業・転職」という三つの違いだとも。

キャリアデザインを描く上で留意すべきことは、「外部環境を考える」「今後40年間の日本の情勢の変化を考える」ということだと強調しました。

そのためには、目的と手段をきちんと理解することが大切だとも。目的とは実現しようとする事柄で、手段とはある事を実現させるためにとる方法。「いい大学に入りたい、いい会社に就職したい」などの考えは、手段が目的に入れ替わっているかもしれません。例えば、医者になりたいから大学に入りたい。これは大学に入るのは手段であって目的ではないからです。目的は医者になること。また、人々の健康を守るために医者になりたいというなら、医者になることは手段で、目的は人々の健康を守る事です。

目的を達成するために、一番近い手段を考えて行動できる人は魅力的です。そうなれるように目的と手段を混同せず、目的を具体的にイメージして下さいと呼びかけました。

経済学部卒業生の進路就職実績データ(立命館大学HP)を見ると、「商売人・商人・あきんど」といったお金と客相手の仕事をする人が多いです。そこで良い商人とは?と投げかけ、松下幸之助さんの商人に大切な3つの心得「1.お客様に喜ばれ、役に立つこと」「2.お客様の心を読むこと」「3.お蔭さまでという感謝の気持ち」と、近江商人の三方よし「売り手よし」「買い手よし」「世間よし」をお話ししていただきました。

最後に今回のテーマでもある、立命館大学のHPのTOPICS03世界とまみれて、世界を変えるRPGを抜粋して紹介して下さいました。
○いままさに旅立たんとする冒険者よ。あなたはすぐに気づくだろう、己の未熟さに。
○途方もなくひろがる世界。立ちふさがる強大なモンスター。通じない自分の技。これこそ、冒険の醍醐味だ。
○ひとつずつ目の前のミッションをクリアせよ。頼れる仲間と手を組み、冒険で身につけた新たな力とアイテムを駆使し、自分が持てるすべての力を振り絞り、立ちはだかる強大な試練に立ち向かえ。
○この世界のどこかには、5つの宝玉が眠ると言い伝えられている。その宝玉を手にしたものは、世界をも変えうる不思議な力を手に入れるという。
○さあ、いまこそ、踏み出す時。
○世界にまみれて、世界を変えろ。
全くもってその通り!大人が出来るのは環境を整えることだけです。その素晴らしい教育環境を自覚し、最大限活用して下さいと熱く語っていただきました。

人生で大切な3つのキャリアについてお話しいただき、今自分はどの段階にあって何を身につけるべきか?を考えることが出来る講義でした。
小林さんありがとうございました。

滋賀県中小企業家同友会
事務局員 中村 香澄