大津支部9月例会
パラダイムシフト。ハンデを戦力に変えてみる。
~中小企業の次世代のカギは彼らの中にある~
場所:びわ湖大津館 桃山
日程:9月27日(火) 18:30~21:00 参加人数:35名
報告者:青山 裕史氏 油藤商事株式会社 専務取締役
野々村 光子 働き・暮らし応援センター“Tekito-”センター長兼支援ワーカー
【例会内容】
滋賀県中小企業家同友会 大津支部9月例会が9月27日(火)、びわ湖大津館 桃山会場で、参加者35名の中開催されました。
報告者は青山 裕史さん(油藤商事株式会社 専務取締役) 野々村 光子さん(働き・暮らし応援センター“Tekito-”センター長兼支援ワーカー) 西澤さん(油藤商事株式会社)で、障がい者雇用について、作業所の立場から、実際に雇用している経営者の立場から、そして当事者本人で報告をして頂きました。
野々村 光子さんは障がい者の方々に対して、10年後を見つめた就労支援を考えておられます。
そして、働くことを窓口に生きていく事について共に考えるを心情に活動を行っておられます。働くとは生活の一部であり、働くことを通じて自己成長を行っていって欲しい。そう野々村さんはおっしゃいます。
また例会では、実際に油藤商事㈱で働く、西澤さんにもトークセッションに参加して頂き、今の職場に対して、そして、今までの人生について話をして下さいました。
西澤さんは、八日市養護学校卒業後、23年ガソリンスタンドで働きますが、ガソリンスタンドの経営が苦しくなり、不当な解雇通告を受けます。23年間ガソリンスタンドで働いていたこともあり、次もガソリンスタンドで働きたいと、油籐商事㈱へ就職されます。そこでは青山さんや社員さんの支援もあり、今は楽しく、満足して働いているようです。
また西澤さんは、多くの資格を取得しています。中にはなかなか取得が難しい資格もあり、本人曰く「認められたい、バカにされたくない」という一心で資格取得に励んだそうです。
野々村さんも、彼の集中力や、純粋な動機や行動は、他の人よりも長けていると話しておりました。
青山さんからは、実際に西澤さんを雇用して、会社はどんな感じなのか?について話をされました。
まず、最初に西澤さんを雇用したことにより、社員が彼を助けよう、支えて行こうという雰囲気が出来、会社の空気が変わったといいます。社員が人に優しくなったと言います。
またガソリンを入れにくるお客さんも、西澤さんに対して、優しく接してくれ、これは今までになかったことだと青山さんはおっしゃっておりました。また本人が素直であることも今の若者にはないものだと感じたそうです。
そして青山さんから、福祉の方は、経営者との繋がりを持つのが下手過ぎる!もっと経営者の団体や、セミナーに参加し交流を持つ行動を起こして欲しい。実際に、障がい者雇用を考えている経営者はいるのに、どこに声を掛けて良いのか?また障がい者について知りたいのに、どこに相談して良いか分からない。と報告されました。
そして実際に障がい者雇用を行い、障がい者の方は、我々にはない能力を持っていると感じたようです。
その能力を引き出し、それを利益に繋げるような仕事を創り出すことが経営者の役割であり、それが出来た時には、とんでもないことが起こると思う。と報告され、会場からも多くの方が頷いておられました。
滋賀県中小企業家同友会では、「人を生かす経営」を理念に掲げています。
「人を生かす」とはどういうことなのか?
人は千差万別です。それぞれが得意なこと、不得意なことを持っています。それは健常者も障がい者も変わりません。その人の長所を見つけ、それを引き出し、仕事に繋げ、利益を生む環境を創り上げることが「人を生かす」ということではないでしょうか?
それは簡単なことではありません。しかし経営者がそのような志で経営に取り組む。そうすればきっと今の障がい者雇用の問題も解決に向かうと思います。
青山さんは最後に、「障がい者雇用を行うのは、ボランティアでも、社会貢献の為でもないんです。私は彼らが戦力になると思っているから雇用しているんです。」
この言葉に、同友会の「人を生かす経営」の精神を感じました。
記(K,M)