滋賀県中小企業家同友会

支部活動について-大津支部-

大津支部9月例会を開催しました!

大津支部 例会レポート

大津支部では、9月21日(火)18:30~21:00に大津支部9月例会を開催しました。Zoomを使用してのオンライン例会となり、会員・他同友会・ゲスト合わせて39名が参加しました。
今回は「人を生かす経営の実践」~経営理念が社長を変え、労働環境の整備が社員を変える~をテーマに、七黒 幸太郎氏(株式会社七黒 代表取締役)にご報告いただきました。

若い頃はかなりやんちゃだったという七黒さん。創業当時は暗黒時代だったと振り返ります。劣悪な環境で限界まで労力を振り絞らせ、社員をコマのように扱う会社だったそうです。当時の七黒さんは、会社の抱える問題をすべて社員のせいにして、いつも腹ばかりたてていたそうです。お金をどれだけ稼いでも満たされず、「どうすれば…」と迷っていたところに、知人から紹介されたのが同友会でした。

同友会に入会した七黒さんは、「理念もない会社で働き続ける社員は、目的もなく船を漕ぎ続けているような気持ちになるだろうね」と先輩経営者に言われ、衝撃を受けました。その後、自社の方向性を定めるために経営指針を創る会を受講します。半年間、学びと気づきを重ね、やっとの想いで経営指針書を創りあげましたが、社員から見向きもされませんでした。それから七黒さんは、経営者の姿勢が変わったことを示すために労働環境の改善に取り組んでいきます。

まずは社員の経済的・時間的なゆとりを増やすこと、現在の労働環境を抜本的に見直し、改善していくことを社員に約束しました。ただし、それだけでは、経費を圧迫していくだけになりますので、社員に1つの事を意識してもらえるようにお願いしました。それは、いつも相手の想像を上回る言動をするという事です。そしてその目的は、経営者が労働環境を改善することで、社員の心にゆとりが生まれ、そのゆとりから社員が仕事に励み、高い付加価値を生む。そして生み出した利益を元に労働環境を改善していけるという好循環を創るためでした。

また、会社を全社員にとって働きやすいものするために、「理想の会社とは」を社員にアンケートを実施しました。返ってきた答えは、「休みが取れる」や「ボーナスがある」などで、大変ショックを受けたそうです。アンケートの結果は、理想の会社と会社の現状との乖離をしっかりと映し出していました。それからは、理想の会社を創り出すためにあらゆる経営課題の解決にチャレンジしました。社員も七黒さんの頑張りを見てくれていて、会社のために自発的にトラックの免許を取ってくれる社員も現れました。七黒さんがこれまでの業務にプラスして理想の会社創りに取り組むと、目の回るような忙しさになったそうです。なぜそうなったかを考えてみると、全ての業務に自分が関わっていたから、つまり、経営者が社員を信じていないからだと気が付きました。それからは、会社のことを社員に信じて任せてみることに決めました。。

七黒さんは、プレイングマネージャーから脱するために、同友会の役職を引き受け、会社のことを社員に任せてみました。初めのうちは、社員からも反発がありましたが、目に見えて会社も変わっていきました。これまで直接お客様と関わることがなかった社員が、お客様と関わるようになり、様々な評価を頂戴するようになりました。また、その評価を受けて、社員たちは自分で考えて行動していくようになったのです。「経営者が会社のことを社員に任せてみることで、社員に主体性が根付き、1人1人が会社の主人公になったのではないか」と七黒さんは語ります。

七黒さんは最後に、「結局のところ、会社がよくなるも、悪くなるのも、経営者次第。経営者が社員の本領を発揮できる環境を創ること、そしてその頑張りを認めてあげること。これこそ、会社という組織が成長していくために必要なのではないでしょうか。」と報告をまとめられました。

七黒さん、ありがとうございました。