テーマ:挑戦できる環境は社員共育にあり~社員定着率99% 同友会の出会いが人生を変えた~
報告者:中島賢太氏 (株)ソアー 代表取締役(神奈川同友会)
日 時:3月29日(火)18:30~21:00
会 場:大津プリンスホテル&ZOOM
参加者:60名
幼い頃から経営者であるお父様に憧れて育ったと語る中島賢太さん。会社の催事などで社員さんを引き連れ歩く姿を“かっこいい”と思ったのが、経営者を目指すご自身のスタートとでした。それから中島さんは、お父様と同じ学校に進学、お父様と同じスポーツに打ち込み、経営者であるお父様の背中を追って中島製作所へ入社されました。会社を継ぐために様々な苦労を乗り越えてきた中島さんは、後継者としての自信から「従業員は俺についてくれば間違いない」と考えるようになってしまっていたそうです。
その様な考えの中島さんですから、社員とのコミュニケーションはうまくいかず、何を言っても無反応・無関心といった様子で対応されるという状態が続きました。そんなある時、社員から「私は貴方に雇われたのではない。貴方のお父様に雇われたんだ」と言われてしまいます。中島さんはこの言葉にショックを受けると同時に、「良くも悪くも社員から本音が出た。これはチャンスだ」と考えます。そこから中島さんは、全社員と徹底的に話し合いの場を持つことにしました。
結果として見えてきたのは社員の抱える様々な不満でした。これを受けて中島さんは、「こんなにも正直に思いを話してくれる社員がいるなんて自分は恵まれている」と感じたそうです。これらは全て経営者である自分の言葉足らずが招いた事態と捉え、より社員とコミュニケーションを持つようにし、自分の考えを話すことと、社員の考えを聴くことに注力しました。そうすることで、人材の定着率は上がっていきました。
その後2007年に同友会に入会。そこで出会った“創業者”という人種から今までにないほどの刺激を受けます。自分のやりたいことを仕事として働く創業者を見た中島さんは、「自分もやりたいことを全部やってみよう」という思いを抱くようになります。そして、中島製作所を定年退職した社員が働ける会社として、訪問介護事業所の(株)ソアーを設立。社員が一生安心して働ける会社を目指して組織作りに取り組まれます。
“よい会社づくり”として、社員とその家族を巻き込んだ食事会、徹底的に話し合う後継者育成などにチャレンジしていきました。現在も雇用の場を生み出すために、毎年新事業を構築されているそうです。中島さんは最後に、「とにかく思いついたらやってみる。結果は成功でも失敗でもいいんです。そこから次の課題が見えてくる。立ち止まっていても眺めは変わらない。同友会は失敗しても大丈夫なところなんです。事業がうまくいっていない人ほど同友会に来るべきなんです」と同友会の魅力を語ってくださいました。
常にチャレンジし続ける中島さんからの熱いご報告でした。