滋賀県中小企業家同友会

支部活動について-高島支部-

外に出て行動すれば道は拓ける~上田初代高島ブロック長熱く報告!~

高島支部 例会レポート

高島ブロック2月例会

日時:2023(令和5)年2月15日(水)18:00~20:40
場所:安曇川公民館
参加人数:24名(内ゲスト:1名)
報告者:株式会社 植杢 代表取締役 上田誠さん(初代高島ブロック長)
テーマ:「同友会で学んだ3つの本質!~『仲間』『行動』『理念』~」

2月例会は、出口さんの司会進行で開会しました。
運営委員の北川さんは「過日次年度の理事候補者研修で同友会の歴史を学ぶ機会が有り、先人の想いや活動を知ることで、新たな未来を我々が創ることの大事さを学びました。本日はその上で、初代高島ブロック長の上田さんより、同友会で学んで切り拓いてきた経営実践をお伺いし、新たなより良い高島支部を立ち上げる学びにしたいと思います」と開会挨拶が行われました。

《報告要旨》

私は同友会に入会し活動して17年となります。今では観光名所となっているマキノのメタセコイア並木は、当社が施工しました。
私達が事業を行う高島市は、「鎖国の高島」と呼ばれています。交通や立地面から、地域内での商売が多く、外に出ない特徴があります。
私は昭和40年に、江戸時代末期より続く造園業の家に生まれました。大学を卒業して、京都の造園会社に就職し、学歴関係なく多くの社員と一緒に修行し、人間関係を含め様々なことを学びました。
平成元年に、父の都合もあり家業の植杢に入社しました。様々な地域の経済団体(JCや商工会などいろいろ)の活動にも積極的に参加しました。
会社の業績がおもわしくなく、悩んでいたころ大津の同業者に誘われて同友会に入会しました。様々な経営課題を同友会の諸先輩方に相談し、アドバイスを受けながら実行して乗り越えていくことが出来ました。従業員の問題、財務の問題など同友会での出会いがなければ、長い歴史を持つ会社を潰していたことでしょう。
同友会には前向きに経営に取り組む『仲間』が多く、本当に学びになりました。

学んだことを具体的な取り組みにしようと、とてもたくさんのことを実行しました。
脱公共事業で除雪を民営で行い、地域のお客さんから「ありがとう」と喜ばれる実体験を社員と行ったことや、
船井総研のセミナー受講をきっかけに、生花のフランチャイズを行い国内全域を施工でまわったり、様々な有名な展示会にブースを出して多くのビジネスアイデアやビジネスパートナーとの出会いを得たり、東日本大震災で被爆した幼稚園の砂場の砂を入れ替えたり、ユニークな園庭工事はテレビ番組でも取り上げられるなど、語りきれないほどのことを実行していきました。

お金が無くても、補助金を活用するなどして、工夫しながら商品開発に取り組みました。
同業他社が嫌がる水を扱う工事にも積極的に取り組み、新たな仕事が生まれた。たとえばビオトープという、水を取り入れた独自性の高いユニット工事は、園が休みの間に短納期で行う必要があり、どうすればできるかという試行錯誤の中から生み出されました。
地域の材料を使い、経営革新の給付金をはじめ、様々な助成金も積極的に活用し、地域に根ざし地域資源を生かした商品を全国に向けて発信してきました。
同友会に入る前は、目先の利益になるものばかりを追っていましたが、将来の「種まき」になるのではないかという事は、なんでも積極的に『行動』しました。近年、蒔いた種が咲くことも多くなりました。

『理念』は、「しあわせ空間創造企業」です。また、企業は存続することも目的のひとつです。存続するために、「売るな 作るな 働くな」という考えを取り入れ、付加価値を上げることで、売上が下がっても利益を確保できる経営を実現しました。
価値についての考え方を変えました。
かけうどんと、月見うどん、なぜ月見うどんが喜ばれて利益が出るのか。
缶コーヒーは、メーカー原価が30円なのに なぜ100円以上で売れるのか。
ルイヴィトンは なぜ高くても人は買うのか。
このようなことを追求し、10人いたら一人が買ってくれればよい商品開発に努めました。メーカーのカタログに載ってしまうと価格競争になります。カタログに載らない新商品開発を常に心がけています。
幸せについても、仲間に教えられました。身近な人や家族と毎日の一緒のご飯や、社員の平凡な日常を守ることの大切さを知りました。

ダーウインの進化論にもあるように、最も大事なのは、生き残るものは最も強いものではなく、最も知的なものでもない。それは、変化に最も適応したものである。という言葉を大事にしています。
その上で、様々な種を蒔きまくり、挑戦することで、最近は経営は安定しているとは言えませんが、心は安定しています。
皆さんには外に出ること、最もハードルが高い展示会に出ること、まず同友会の例会には参加すること、同友会の全国の行事も参加してほしい。そうすれば素晴らしい仲間、経営の先生と出会えます。そうやって、行動してください。(記録:伊藤)

3月例会告知