滋賀県中小企業家同友会

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覚悟を決めた社長就任!川勝青年部幹事長熱く語る!~高島ブロック3月例会~

高島ブロック 例会レポート

滋賀県中小企業家同友会高島ブロック(ブロック長 七黒幸太郎 (株)七黒 代表取締役)3月例会が、7日(木) 18:00~20:30までWESTLAKEHOTEL可以登楼にて開催され、27人が参加いたしました。


例会では、「覚悟を決めた社長就任~日々迫りくる課題に立ち向かい、気づいた経営者の視点~」をテーマに、川勝健太さん(株式会社カワカツ 代表取締役・滋賀同友会青年部現幹事長)さんより、事業承継と社員の創意や自主性を生かす経営実践が報告され、経営者の仕事とは何かについてディスカッションしました。
また、例会後には懇親会が行われ、学んだ中身をさらに深める熱い論議が展開されました。

川勝さんは36歳で、3人兄弟の末っ子です。趣味はダイエットで、特技はリバウンド(笑い)だとか。会社は昭和34年の創業で、60年の歴史がある自動車の整備販売業(町の車屋さんのイメージ)です。社員数は16名。社長をしながら販売を担っている、プレイングマネージャーです。
年間販売台数は100台で、ディーラーで言うとトップセールスマンクラスです。工場は9年前に立て替えて、ディーラーレベルの設備を有しています。会社の強みは60年の歴史ある整備の技術。整備の自信は大きいと言われます。

川勝さんは3代目の社長で、祖父(先々代)から「経営者になれ」と言われ、父(先代)からは逆に「継がなくていいから、好きにしろ」と言われていたので、継がなくていいと思っていたそうです。また、ため息ばかりついて、付き合いでお酒を飲んで、べろべろで帰ってきて、食卓でも仕事の話をする父親を見ていたので「継ぐ気もなかった」と過去を振り返ります。
就職も金融機関関係を探していて、内定までもらったそうですが、大学で自己分析をしていた中で、父親の事を想像したときに、「親父は社員や家族の生活を守るために必死に頑張っていたのだな」という事に気づいたそうです。
祖父が戦後の混乱の中、命を削って作ってきた会社であり、父はそれを守るために必死になって頑張って来た。そんな「命のバトン」を自分が継がなくてどうする!という想いから金融機関の内定を蹴って、会社を継ぐ決意をしました。

その後、トヨタカローラで5年間営業職を頑張って、このまま6年目に突入するのかなーと思っていた矢先に父からの電話があり「喉にガンができたから帰ってきてくれ」と伝えられ、その後1週間程度で現在の会社に戻る事になりました。ところが、業務内容がディーラーとの販売方法とかけ離れていて(色々な車種の取り扱い等)地獄だと思えるような苦労をしたそうです。
平成22年、専務として株式会社カワカツに入社し財務情報を見たところ、流動比率972%と素晴らしい数字で(何もしなくても社員さんの給与が4.5年分補える)先代、先々代の60年の積み重ねを実感したそうです。
そして、数字以外にも内に秘めた宝物がありました。それは・・・
◎カワカツのスタンス
⇒低価格化の自動車整備業界のなかで、安くはないが安心できる整備工場としてやってきた。
⇒国道1号線沿いの激戦区の中、広告宣伝費、看板、のぼり一切なし。反省中ではあるが自社ホームページ無し! 顧客創造は口コミのみ。「仕組み」というよりは「文化・価値観」
◎お客様を大切にする姿勢、態度 (お客様が帰られる時にお見送りする動画を放映)
⇒作業中の整備士、休憩中の社員もたとえ忙しくても手を止めてお見送りをする姿
◎入庫した車は徹底的にピカピカにして(1台あたり2~3時間かけて)お返しする「文化」
◎工場をきれいに使う「文化」
「文化・価値観」と表現したのは
〇綺麗にするのが当たり前
〇全員でお見送りするのが当たり前
〇丁寧な接客をするのが当たり前
〇改まった社員教育もなく、全てがOJT。新入社員は先輩を見て育つ。
ゆえに、本人達に「仕組み」という自覚がなく行われているからです。
これは、祖父と父が、体現者となって実現してきた「文化」だからです。
そして、社長を支える歴代の工場長の存在も大きかったそうです。
創業者の想いが脈々と引き継がれ、ある意味、無意識の中で理念経営が出来ていたとも。
財務状況もばっちり、他社がまねできないお客様を大切にする企業でばっちりやん!
と、思いきや・・・・・・・・

ところが、売り上げが3.8億から2.1億まで下がっていることに気づきます。提供するサービスとお客様が求めるニーズに差異が生じてきたのです。また、当時の父はここまで頑張って来たことにより、燃え尽き症候群と、病気によるうつ状態で経営者の影響力が低下。社員も、淡々と作業をこなすだけの状態となっており、まさに羅針盤を失った船と化していたそうです。社員同士で話し合いをした報告書が提出されたが、内容はヘビーすぎるようなものだったとか。
この頃、川勝さんは、ただただ売り上げが落ちている事がやばいと感じていて、人脈の為に、さまざまな会に入会し、売り上げを回復させます。人脈の構築も出来たので、販売の方は川勝さんが、社内の事は工場長に託し、売り上げを、上げさえすれば万事オッケーだと思っていたそうです。
しかし、本当に大切な問題に気付かず、社内で問題の炎は大きくなって行きました。

H24.12.6 先代社長、突然の心筋梗塞により他界

そして、川勝さんが突然の社長へ就任することに。とりあえずは、現状、結果が出ているので、今のスタイルでいいかと思っていましたが、徐々にほころびが出てきました。
◎社長の勘違い
良かれと思って取って来た仕事が・・・
⇒新規の車検を取ってきて、日時も指定して、報告すると、部下は喜んでくれるものだと思っていた。にもかかわらず、社員が少し迷惑そうな顔をした。
⇒現場の段取りなども確認しないで、仕事を取ってきていた。
売り上げ↑ ⇒ 利益↑ ⇒ 給料↑ ⇒ 喜ぶ
というサイクルが一番良い事だと思っていたが、違うことに気がつきました。
会社の中身は
〇整備士の不足
〇遅く終わる事が当たり前の状態
〇少ない休み
〇単純なレクリエーション(シンプルにご飯いくだけ)
〇明確な目標も目的もない
お客様を幸せにする文化があっても、社員を幸せにする文化がなかったのです。
同友会に入って、ディスカッションをするうちに、経営者としての発言を自分は全くできていない事に気づきましちゃ。そこから学びを活かす事を始めます。

◎売り上げ至上主義から幸せ至上主義へ
社員を幸せにすれば、売り上げは後からついてくる。売り上げ目標にはこだわらないようにしました。
〇経営指針書(経営理念・方針・計画)の作成
年に1回の経営指針発表会を行う。(1年の振り返り等も含めて)
個人の目標も立ててもらう。
経営指針書はなかなか、見返してくれないので、個人の目標を壁に貼って、極力振り返れるようにしました。
〇社長の行動計画書
色々やりたいことがあり過ぎて、出来ない事がたくさんあったので、いつに何をするという事を書き、張り出しました。
◎経営者たるものエンターテイナーであれ!
自分がはじけないと、みんなもはじけられないと言うお言葉を先輩から頂いたので、実際に社員旅行の時、女子高生の格好をして組体操をしてみたりしたところ、思いのほか社員が喜んでくれたそうです。その後、ビンゴ大会を社員に頼んだところ、普段は人前に出てしゃべったりする事が苦手な社員が「ひょっこりはん」のものまねをするなどの変化がありました。社員もエンターテイナーになってくれたのです。
◎写真を撮りためて家族に
毎年写真屋さんに来てもらい、社員ごとのフォルダを作って撮りためて、何年かに1度渡されています。社員に喜んでもらうというよりも、ご家族に喜んでもらえる為のシステムです。特に新入社員は、業務の内容が変化、成長していくので、成長の過程が見えるので最高の福利厚生だと思い、実行されています。
◎有給消化の義務付け
◎年に3回の面談
⇒最近ではたわいもない日常の話
⇒こうして欲しいという要望があった場合は、すぐにやるように心がけている。
◎整備士の採用
◎営業マンの採用
◎動ける立場の人間で同じ目線を持てるパートナーづくり
⇒将来、取締役候補の人に同友会に入会してもらい、同じ目線の学びを得る仲間社員を。
最後に
社長として努力はしてきたが、痛感する事は、人を巻き込む事の難しさと、一人では何もできないという事だとか。右腕の幹部と腹を割って話し合い、自分の代弁者となってもらう事も大切だと強調。
⇒今年の取り組みとしては、幹部会としてご飯を食べに行って、相談できる場を作ったそうです。

「現場仕事ばっかりやっているけど、それは自己満足やぞ。経営者というのは、社会の状況を感じ取って吸収して会社の方向性を決めていくのが経営者やぞ」という同友会先輩の言葉から、まずは圧倒的に自分が成長する機会を作り続ける事。そのために、出会いが人を育てるという事にチャレンジしされています。
「今となって振り返ってみると、いろんな仲間や家族がいたことに気づいて、これから、仲間と共にいろんな壁に立ち向かう事が出来る。大変だけど、生きがいもある仕事を与えてくれた、父親に感謝しています」とご報告を締めくくられました。(記録 出口)

グループ討論で経営者の仕事は何かをじっくり話し込んだあとは、懇親会を行いたっぷりと復習をいたしました。





よい会社・よい経営者となって、よい地域づくりを担う。私たちはそんな学びと実践を目指す仲間を求めています。
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