滋賀県中小企業家同友会

委員会活動について-ユニバーサル委員会-

経営理念を力に、障害者や配慮が必要な人の雇用を担える企業をめざす~ユニバーサル委員会~

ユニバーサル委員会 委員会レポート

滋賀県中小企業家同友会第10回ユニバーサル委員会が2021年3月11日(木)10時からオンラインZoom会議室で開催され、11名が参加しました。
今回の委員会では、宮川バネ工業(株)の宮川 絵理子専務より「ぶつかってぶつかって!~宮川バネ工業の障害者雇用の実践と課題~」をテーマに問題提起をしていただきました。

宮川バネ工業が社員数35名で、現在3名(知的障害者1名、身体障害者2名)の障害者雇用を行われています。65才以上の社員さんの5名雇用され、手帳は持っていないが働きづらさを抱えている方、持病がある方、不妊治療中の方、介護で時短勤務の方など、様々な事情の従業員が在籍し活躍されています。
障害者雇用の始まりは2007年から。宮川卓也社長(当時)が同友会で障害者雇用率の低さを知り、 働き・暮らし応援センターさんのサポートにより採用し、トライWORK、トライアル雇用、ジョブコーチ支援を受け、今も正社員として活躍されています。最初は意思表示カードや筆記でのコミュニケーションが必須だったものの、今ではほぼ無しで意思疎通が可能となり、一昨年には先輩社員が一緒に受検して、技能検定にも合格されました。
宮川専務は「きっと宮川バネで仕事が出来て喜んでくれている」と思っていたそうですが、「この会社で働き続けたいと思うか?」というアンケートの質問に「わからない」と返答されたのを見て、 会社はいつでも誰にとっても「選ばれる立場」であると、あらためて自戒されているそうです。
このあとも障害者雇用を続けますが、なかなか定着してもらえない中で宮川専務は思い悩んだそうです。そんな時、「宮川バネで働き続けることだけが、 本人にとって良いこととは限らない」という先代社長の言葉に意を強くし、引き続き多様な人材の雇用に取り組まれました。

障害者や働きづらく配慮が必要な人の雇用をしてよかったことは、
・どうすれば誰もが働きやすい職場になるか、現場で考える風土ができた。
・「この先何かあっても、宮川バネなら何とかしてくれる」という安心感が社員に生まれた。
・10年ビジョンを策定する際に、社員同士の意見の中から、「病気、障害等の働きづらい事情を抱えた人でも働ける仕事をつくり、雇用を拡大している」というビジョンが出てきた。
こと。
しかし、配慮が必要な社員を配属できる部署は限られており、その部署のリーダーや同僚に負担がかかっていること。そんな社員への待遇改善や、障害者雇用をさらに進めるためには企業内ジョブコーチの設置など、専門性を持った人材の育成や採用が必要だという課題も見えてきたそうです。
最後に、これまで現場で頑張ってくれている社員に感謝しつつ、“今日できないことは明日できるように、日々進歩を続け、より良い仕事、より良い職場を追求していきます”(経営理念)。と経営理念を引用してまとめていただきました。

このあと、質疑と障害者雇用の経験交流が行われました。宮川専務さん、有り難うございました。

このあと、びわこリハビリテーション専門職大学の嶋川昌典先生より、障害者雇用の調査の結果をご報告いただきました。

ユニバーサル委員会では、多様な人材を生かす経営を学び合うために、毎月委員会を開催しています。
興味・ご関心をお持ちの方は、是非ご参加下さい。
事務局 TEL077(561)5333