滋賀県中小企業家同友会

委員会活動について-ユニバーサル委員会-

知ることから始める。知らないことは罪!~第4回障害者in滋賀プレ学習会~

ユニバーサル委員会 委員会レポート

第20回障害者問題全国交流会in滋賀(開催日:2019年10月17日(木)~18日(金)会 場:琵琶湖ホテル)の開催を目指して、滋賀県中小企業家同友会の人を生かす経営推進3委員会(ユニバーサル・経営労働・共育求人の各委員会)による第4回プレ学習会が3月6日(火)18:00~20:30までフェリエ南草津5階大会議室で開催され43人が参加しました。

蔭山代表理事より「経営者団体で障害者や就労困難者の雇用について方針を持って取組んでいるのは、中小企業家同友会しかありません。それは、中小企業は社会の主役であり、今も昔も地域の多様な雇用を担い、共に働いて暮らしを守ってきたことを誇りとする、人間尊重の経営に取組んできたからです。2019年は滋賀同友会創立40周年。障全交in滋賀の取り組みを通じて、地域の中小企業にもっと障害者雇用について理解を広め、取組む企業を増やしてまいりましょう」と挨拶。

続いて田井ユニバーサル委員長より障全交in滋賀の概要とスローガンが報告され「障害者in滋賀の主催は中同協ですが、企画を練り提案し運営を担う中心は、私たち滋賀同友会です。人を生かす経営の本質を問い返す記念すべき交流会となるように、学んで仲間を増やしてまいりましょう」と呼びかけられました。(障害者in滋賀の開催骨子は本文末に掲載します)

このあと、大植 栄氏((有)メタルワーク福山 代表取締役 広島同友会理事・障害者問題委員長)より「一人ひとりのやる気スイッチを探せ!~地域の若者から選ばれる企業を目指して~」をテーマに実践報告が行われました。

(有)メタルワーク福山は金属製品加工業。社員39人で、身体障害者1人、聴覚障害者1人、発達障害者2人を雇用し皆さん経営の現場第一線で活躍されています。
ここに至るまで、過去には養護学校の先生のすすめで、同情心から障害者を雇用し、経営者や上司が障害特性を知らなかったことから、仕事が出来ず、やる気を無くし、長続きしなかったという苦い経験があります。
そこから、広島同友会の障害者問題委員会では福山北特別支援学校と連携し、企業参観日・合同面接会・先生方による企業訪問バスツアー
・職場実習に取り組み「人に障害があるのではなく、その人と社会の間に障害がある」ことに気付き、雇用を広げてきたそうです。
さらに、広島同友会は合同入社式&新入社員研修半日コース&フォロー研修を障害のある新入社員向けのメニューで行っているそうです。

大植氏は「障害」は「特性」だと言います。知的障害、身体障害、精神障害、発達障害それぞれについて特性があり、それを良く知ることで「労働能力と障害は別」「適材適所」「ヤル気スイッチ」が見えてくると強調します。

大植さんは、特別支援学校や職業リハビリセンターの生徒さんを職場実習を経験した上で採用しています。作業を細分化して適材適所に配置すれば、仕事の流れは良くなり、個人の生産性が上がり、組織の生産性も向上する。このことによって、業績が大変に良くなったそうです。まさに、人財戦略としての障害者雇用を取組んでいるのです。

また、氏は同友会で共に育つと言いながら、障害者の雇用を避けて通る。関係ないという。知ろうともしないことは「罪」だと言われます。そして「共に育つとは社員に求めることではなく、経営者の覚悟である」と熱く訴えられました。

最後に、一人として同じ人間はいない。人間にはみんな特性がる。そんな、その子その子が共生できる場をつくることが、地域と共に歩む中小企業の役割。そのためには、経営者が勉強をして知ることから始まりますと話を締めくくられました。

このあとグループ討論では、若者から選ばれる企業となるために、どんな取り組みが必要かを切り口として、一人ひとりの特性を生かすことが出来る企業づくりの、経営や知恵を交流しました。

謝辞は司会の宮川絵里子さんより「大植さんと出会いお話を聴くまでは、障害者のことは福祉の人が考えることで自分には関係ないと思っていました。でも、今は我が社の経営課題として捉えるようになりました。それは、一人ひとり特性のある社員との共育ち、生産性の向上ちう経営課題から、その先にある人は生きる持続可能な地域づくりに繋がることです。ありがとうございました」と行われました。

最後に、小島ユニバーサル委員長より「これからは多様な働き方に対応できる会社でなければ、事業を継続できなくなるかもしれません。多様な人の特性をいかす採用と職場環境づくりが必要です。障害者雇用を切り口としながら、そういう企業づくり、すなわちあらゆる人を生かす企業づくりを学んで実践してまいりましょう」とまとめられました。

参加者からは「障害者雇用は社会貢献だと考えていたが、全く考えが変わりました。養護学校の実習生を受け入れて会社の戦力になる人を採用しています。たまたまその子には障害という特性があっただけです、という言葉は響きました。知ることから始めます」という声が多く寄せられました。

(M・H記)

第20回 障害者問題全国交流会in滋賀開催骨子

◯2017年度 第11回 理事会承認 2018年2月7日
◯中同協障害者問題委員会承認 2018年2月15日

☆開催日:2019年10月17日(木)~18日(金)
☆会 場:琵琶湖ホテル
☆想定規模:参加者500名(県内目標 100名)
☆参加費:未定(近年の参加費は18,000~20,000円)
☆日程
第1日目
12:00 受付開始
13:00 分科会 開会
報告・グループ討論・発表
18:30 懇親会開会
20:00 1日目終了
第2日目
9:00 全体会開会
あいさつ、基調講演(またはシンポジウム)、まとめ
12:00 2日目終了・閉会

★開催地スローガン
人が輝くから企業が輝く、地域が輝く!
~”おたがいさま”と”ええあんばいの心”でよい会社をつくろう!~

★スローガンへの想い
障害者・健常者にかかわらず、人が生き生きと働ける環境を作ることが、経営者の使命です。だからこそ、会社も成長します。(健全経営)
結果として、地域も輝きます。

障害者は可哀そうだから何とか雇用しようではなく、経営のパートナーとしての雇用を目指す。これを目指す第20回記念交流会にしたいと考えています。
障害者・健常者という区切りではなく、働く人の個性を生かす経営をしないとお客様や地域の期待に応えて企業を発展させることは出来ません。
人が生き生きと働ける環境があるから創意工夫が生まれ、利益がついてくるのではないでしょうか。
経営者団体である同友会が目指す、『人を生かす経営』は結果として、企業が維持・発展して行くための基盤であることを、堂々と公言できる大会にしたいと思います。

“おかげさま”という感謝の気持ちがないと、何も変わりません。
“ええあんばいの心”とは、決して妥協ではなく、互いが足らないところを補い合い、切磋琢磨するということです。

経営理念の達成、人が輝く会社と地域社会の実現に向け、いそがず、あわてず、決してあきらめず、進んで行きたいと思います。

※今後のスケジュール
○2018年4月・・・第40回定時総会にて県内向け開催目的・スローガンを発表
○2018年4月~
・県内外への周知広報活動(県内活動についてはユニバーサル委員会の計画にて)
・分科会等の詳細について中同協および障害者問題委員会と協議
・交流会予算検討
○2019年4月・・・実行委員会結成
2019年10月17日~18日・・・交流会開催

以上