滋賀県中小企業家同友会

委員会活動について-青年部-

青年部 2月例会を開催しました。

青年部 委員会レポート

 

あなたは、夢を語れる経営者ですか?

弓削田信基さん (有)シャロン農園 取締役

と き:2月25日(金)18:30~20:00

ところ:グリーンホテルYES近江八幡&Zoom

参加者::43名

 

弓削田さんは大学卒業後、自動車販売店で4年間勤務し、その後2011年に(有)シャロン農園に入社しました。家族とパートアルバイト含め10名の会社で、4ヘクタールに近江牛260頭の肥育と、ブドウ等果樹の生産、販売をしています。創業は約60年前で、水稲から始まり、減反政策で肉牛に転向。160頭で肥育をスタートしました。しかし、牛肉自由化の影響で単価が上昇し高品質化に転換。規模を300頭まで拡大するも、交配などの技術に適応できず、赤字が膨らんでいきました。

市場に輸入肉があふれ、畜産の拡大を諦めてブドウの生産を始めます。しかし、適地適作とならず、5年後にはすべてのブドウを処分することになりました。果樹生産は開始してから2年間は売り上げになりません。その時学んだ事は、リスクヘッジ複合経営をめざすことでした。重要なのは、農政に影響されない経営基盤づくりだったと。農政とは食糧生産の安定を図るために、補助金等によって事業がコントロールされます。しかし、補助金だよりになりがちで、国の政策に振り回されてしまうことが課題でした。

牛の高騰が続く中、ようやくブドウの売り上げが拡大し、経営は安定していきました。台風など自然災害での修繕などは、弓削田さんは自らの手で行う様になりました。後継者として色々取り組む中で、福岡同友会会員の若手農家に同友会を紹介され、2019年12月に入会しました。

そんな時です。ある農業経営者の勉強会で事業を発表する機会があり、先輩農家から「あなたは夢がないの??」と問われました。「とにかく悔しかった、他責にして自分を持たない私、図星だったので」と振り返ります。先輩は覚悟を持って経営していることを知り、もう一度発表の機会を得て、夢を語ることができたそうです。その上で、同友会の第43期経営指針を創る会を受講し、夢を経営指針書としてまとめることができました。経営指針を創る会で同期のメンバーなど、経営で切磋琢磨できるいい仲間も得ることができました。

夢の実現に向かう弓削田さんは、2021年から近江八幡市果樹団地構想事業に参加されます。全国果樹生産量ワーストワンからの脱出をめざすプロジェクトで、津田で産地構想、農家集団のチームビルディング、労働力、女性活躍農業に挑戦して行くそうです。8名の農家が力を合わせて行うので、連携や信頼関係が大事になります。これには「同友会で学んだ人を生かす経営の姿勢がとても役に立ちます」とも。

弓削田さんの夢は「農業ヒーロー!」です。農業を通じて美味しいモノ・ゴトを実現したい。ブランド農産物・産地創造、次の世代が夢を持てる仕事づくりを通じて、自社と地域を盛り上げていきたいと熱く力強く報告されました。