滋賀県中小企業家同友会

支部活動について-大津支部-

10月29日 大津支部10月例会を開催しました‐『個性を生かす人材戦略』〜多様な人を働き方で生かす経営

大津支部 例会レポート

10月29日大津支部10月例会を開催しました。

と き 2020年10月29日18:30~21:00
ところ ㈱アーム保険設計&Zoomミーティングルーム
テーマ 個性を生かす人材戦略』〜多様な人を働き方で生かす経営~
報告者 中崎ひとみ氏 社会福祉法人共生シンフォニー 常務理事(甲賀支部会員)
参加者 30名

大津支部の10月例会は、「ソーシャルインクルージョン(ユニバーサル)」例会です。
中小企業家同友会の精神である「労使見解」と経営者の想いを具現化する「経営指針書」を
もとに「人を生かす経営」の実現に日々取り組み、実践を報告する例会活動ですが、
今回は「多様な人々」が互いに認め合いながらその力を企業で活かすことができ、社会に参加すること取り組み
である「ユニバーサル」をテーマに、実践されている経営者の方にご報告いただいております。

今回は、湖西地域で社会福祉事業を展開されておられ、「がんばクッキー」で滋賀県民にはおなじみの
社会福祉法人共生シンフォニー 常務理事の中崎ひとみさんから、法人の生い立ちから中崎さんの経営での苦労や
学び、気づき、実践そして今後の展望をお話しいただきました。

お話は、共同作業所を立ち上げた当時の、障がい者に対する社会の評価や見る目が厳しかったこと、それでも歯を食いしばって作業所をつづけたこと、経営のことがわからず雑誌や同友会で必死に学んだこと、多様な人材を採用し仕事に合わせて人を採用するのではなく人を採用してから仕事をつくる取り組みをしてきたことなどなど、盛りだくさんな内容でした。
ここでは、10月例会座長を務められた㈱ドリームの寺田俊介さんの「座長まとめ」をご紹介します。

人の数だけストーリーがあります。
経営者にも、従業員さんにもストーリーがあります。そして、支援している入所者、利用者にもストーリーがあります。
人それぞれ頑張ったことがあり、失敗したことがあります。それを、たとえば採用するときなど最初に知ることはできません。
働いている中で、そのストーリーにあわせて形を変える。中崎さんは「パズル」とおっしゃいましたが、たとえば滋賀県の石組み職人「穴太衆(あのうしゅう)」のように、石の大きさが不ぞろいなものをうまく組み合わせていくような工夫が必要です。
なにも障がいがなくても、みんなに苦手な分野があります。得意な分野もあります。それらの全体がそろうと、大きな城を建てることができる石垣になります。
今いるメンバーそして迎えるメンバーそれぞれその人に合わせた職場づくりが重要です。また、中崎さんはたとえば松下幸之助さんのお話やプレジデントを読まれて経営の学びをされておりますが、福祉の業界では福祉の制度やノウハウを学ぶ研修はありますが、経営の研修はありません。私も中崎さんも、経営を同友会で学びました。中崎さんは、学んだことをチームワークということで具現化されました。経営指針を創る会などの機会を得て学び、実践することでメンバーに合わせて「見える化」していくことで社風がよい方向へ変わっていかれました。ひとつの力ではなく、多様な力をベクトルの方向を合わせていくことで、それ以上の力が出せます。
中崎さんがおつくりになった経営理念、「かけているからつながれる、つながるところに光が生まれる」、素晴らしいですね。人と人とがつながる橋、自分一人ではなにもできないが、まわりの仲間とつながることでできることが多くなります。また、欠けている部分はだれにでもあります。それを互いに理解し合うことで、より深くつながれると思います。皆さんも、従業員の皆さんと深く理解し合って、本心で繋がれるようにしていきましよう。